ショパンを聴きながら

外付けハードディスクが壊れたのを機会にAmazon プライム サービスを本格的に利用することにした。

塵も積もれば山となる。月々の利用料は五百円硬貨一枚でも通年すればそれ相応の額になる。

通販の送料が安くなる、配達までの期間が短くなる、などは確かに気持ちが良いけれど、それほど頻繁に買い物をするわけでもない。

大容量の写真やデータ保存はたしかに便利で安心だけれど、逆にデータベースに支配される感じが否めない。

これがないと身動きが取れないという妄想的な被支配感がつきまとう。目に見えない巨大な社会システムに飲み込まれてしまう恐怖感といっても良いかもしれない。個人の日常行動の情報がある一箇所に集められ虎視眈々と監視されるかもしれない恐怖感である。

それでも動画や音楽配信サービスは素晴らしい。あまり動画を観ることはないけれど、音楽は聴きたい。

狭い集合住宅は音楽を聴くには不都合がある。音は耳に届く人の感性によって快適にも不快な騒音にもなるからだ。

最近では公園で遊ぶ子どもたちの声ですら騒音として苦情が寄せられるとニュースで聞くと、今の時代の複雑性を感じる。

嗜好の異なる住人に迷惑をかけずに音楽を楽しむのは結構難しい。

ヘッドフォンは閉塞感があり、イアフォンは耳の穴が痛くなるし、適度に日常生活の騒音も聞こえないと支障が生ずる場合がある。先日は映画の配信をイアフォンで観ていて宅配サービスが来たことに気がつかないことがあった。電話にも気がつかない。

開放型のヘッドフォンかイアフォンがあればいいのだが、と思っていたらたまたまAmazon のタイムサービスのメールが届き骨伝導ではなくて軽量の開放型イアフォンが目についたので購入してみた。

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(Ucomx タイムサービス¥3229)

これが大正解。本来はスポーツ用のイアフォンだが、軽いし、閉塞感がなく、フィット感もよく、快適だ。

昨日、仕事の行き帰りに街中で試してみたが、性能的に充分な満足感があった。

音漏れへの配慮は必要だけれど、同居人に迷惑にならずに一日中ショパンが聴けるようになった。

でも、やっぱり段々とAmazon に日常を支配されてしまっている。まさに時代である(今度、中島みゆきを聴いてみようかな)。

宝登山の臘梅


立春をまぢかに控えて関東では快晴の日が続いている。

気温も上がり暖かいので宝登山(ほどさん)に臘梅を見に出かけた。

宝登山長瀞アルプス)は標高500メートル足らずの低山だけれど

秩父鉄道長瀞駅前の宝登山神社から頂上までロープウェイもある秩父の観光地。

今回は長瀞駅のひとつ手前の野上駅前の長瀞町役場の駐車場に車を停めて歩いて頂上を目指した。

登山口の萬福寺から眩しい日差しの溢れる林を抜け急坂を登っておよそ一時間半で頂上に着いた。

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(頂上の臘梅園)

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秩父の象徴、武甲山

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両神山

頂上直下は一面、黄色い臘梅の花に埋められて見事。西と東の斜面が臘梅園になっている。

眺望の良い頂上からは武甲山両神山がよく見えた。梅園もあったがこちらはまだ蕾が硬かった。

ロープウェイ頂上駅近くの斜面には福寿草も咲いていた。

気温が上がって下りの登山道はぬかるんで滑りそうだった。

一時間足らずで長瀞駅に着いた。

うまい具合にあまり待たずに上り列車が来る時間だったのでひと駅、3分だが記念に野上駅まで列車に乗った。

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単線レールの秩父鉄道長瀞駅駅で下り列車とすれ違い、3両のローカル線はガタガタゆれながら国道140号線に並列して走る。

朝6時に家を出て夕方5時に帰宅した。片道150キロ三時間の長瀞はかなり遠いが、それでも行くだけの価値がある気持ちの良い春まじかの1日だった。

パソコン貧者

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我が家のIT環境

昨年の4月に購入した大容量外付けポータブル・ハードディスク(BUFFALO,HD-PGF4.0U3-GBKA)が故障した。ぶつけたわけでも落としたわけでもないのに認識されなくなってしまった。

以前の同社HHDがいっぱいになったので、4テラの機種を購入し、過去十数年の分の書類や写真すべてをこの大容量HHDに移植し、過去の2台はフォーマットしなおしてウィンドウズでもマックでも使用できるようしておいた。

過去2年分の写真だけは新たにフォーマットしなおした旧HHDにバックアップしてあったが、最近の半年分と2017年以前のデータが見れなくなってしまった。このなかには貴重な家族の記念写真や海外旅行の写真も入っている。

バッファロー社の提供する「みまもり合図」で調べるとFランク。重症の障害と判断された。

マニュアル通りに記載してあったサービス部門にメールで問い合わせると、故障の原因は消耗による可能性が高いとある。補償期間なので修理することができると返事をもらった。問題なのは、修理に際してはデータがすべて消去されるとある。大切なのは機械ではなくてデータや写真だ。データの復旧には多額の費用が必要らしい。

添付の説明書をもういちど読んでみると、最初にこの機械はデータの永久保存用ではなく一時保存のための機種であると記載してあった。たしかにその通りかもしれないが、ユーザの多くは永久保存ではないにしても手荒な扱いさえしなければ少なくとも数年は故障に至ることはないだろうと思っているに違いない。しかも今回故障した機械は使い始めてまだ10か月もたっていない。折をみてバックアップ作業はしていたものの泣くに泣けない。

我が家のIT環境は最近、不遇が続いている。仕事用に購入したマイクロソフトのSureface4はまだ3年しか使っていないのに故障、バックアップ用の現在使用してlenovoのPCは性能不足でたびたびスタックしてしまう(lenovp ideapa 310s)。HHDが故障したのはこの安物のPCにつないでいたからなのかと疑心暗鬼になる。

令和2年が始まってまだ1か月も経たないのに、このひと月にいろいろな不幸が起こる。今年は受難の年かもしれないと気分が重くなる。

気を取り直し我が家のIT環境で、とりあえず今しなければならないことは残っているデータをバックアップすることだろうから、思案の末、容量の大きな写真データや動画はAmazonクラウド・サービス(prime photos)を利用して外部に保管することにした。便利は便利だが、使い勝手についてはまだ未知数だ。個人の家族写真もたくさん含まれているので、セキュリティも心配だが、とりあえずの応急策とすることにした。また費用がかかる。まさにパソコン貧者である。

人生いろいろ。予想だにしなかった事態に出くわすこともある。どうかこれからの今年がいい年であってくれることをあらためて心から祈る。

 

 

 

 

 

竹芝桟橋から船に乗って

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先週の金曜日(24日)、朝一番のジェットホイールに乗り一泊で伊豆大島に行った。

久しぶりの島旅だ。

南海の孤島に行くのに飛行機ではなんとも風情がない。島旅は船に乗ってこそである。

船に揺られ、大海原を越え、潮風に吹かれてたどり着くのが島旅の醍醐味であり旅情である。

とは言うものの、湘南海岸から目と鼻の先の伊豆大島には、竹芝桟橋から朝8時半発の高速艇に乗ると、ひと眠りしている間もなく、二時間足らずで元町港に着いてしまう。伊豆大島は今回が二度目の訪問だ。

はじめに港からバスに乗って大島公園に行き、動物園と椿祭り開催直前の椿園を散策した。観光客は誰もいなかった。

動物園では鳥が面白かった。特に朱鷺の色が艶やかだった。

あと二日で祭りを迎える椿園ではすでにたくさんの花が開いていた。

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朱鷺

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観光客のいない椿園

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持参したおにぎりを温室前のベンチに座って食べ、昼過ぎの公園発三原山登山口行きのバスに乗って三原山散策に向かった。

天気は曇り、頂上付近はガスに覆われて火口は見えなかった。

山裾の裏砂漠コースを下り宿泊する大島観光ホテルまで歩いた。

広々とした散策路にはあちこちに紫陽花の冬枯れの株が自生していて黒い火山岩の広がる山裾のアクセントになっていた。紫陽花の花の季節には見事な花畑になるのだろう。ぜひ機会を作ってその時期に見に来たい。

日差しはなかったが、約二時間の散策は爽快だった。久しぶりにのトレッキングで汗をかいた。

シーズンオフの平日なのにホテルには思いのほか宿泊客が多く、ほとんどは今回利用した東海汽船のお得なフリーツアー(全て込みで15000円)の利用者のようだった。

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目玉の夕食も工夫が凝らされていた。敢えて不満を言うとすれば、金目鯛の西京焼きがもう少し大きければ申し分なかった(写真右端)。

広々と広がる景色を眺めながらの露天風呂は解放感満点、気持ちよかった。

夜半は晴れ。窓から満天の星空が眺められた。外は意外に寒くてテラスに出て星空の写真を撮る意欲は湧かなかった。

朝方からまた雲が広がり期待した日の出は拝めなかった。朝日に映える三原山の写真が撮れなかったのは残念だ。

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早朝の港に着く大型船を利用して登山客がたくさん入浴や朝食を取りにホテルを訪れ、賑やかな朝だった。

二日目の船の発着は元町港とは島の反対側に位置する岡田港だった。

朝9時のホテルの送迎バスに乗って10時半の高速船に乗り帰ってきた。自宅には2時前に着いた。

知育玩具

孫たちがどんどん大きくなってジイジ(我が家ではグーパと呼ばせている。グランパがなまった呼称)と遊ぶ機会が減ってきた。

すでに来年の春には中学生になるカン君はもうすっかり自分の趣味を確立して、グーパの手助け不要に自立した。これからだんだんと我が家に遊びに来る機会はなくなり、ぐんぐん身長が伸びるにしたがって、逞しい青年へとまっしぐらに走って行くのだろう。

小学三年と一年のマド・へー姉弟は絵をかいたり、ビデオを観たり、まだまだ子供らしい遊びをそれなりに楽しんでいるが、姉は塾通いが始まって、そろそろ忙しくなってきた。これからはお休みが少なくなって、ジジババの家に泊まりに来る機会は減ってくるに違いない。

まだまだ幼いへーちゃんもだんだん男の子らしい遊びに目覚めて、アウトドアの遊びに興味が傾いてきている。きっと、家の中でゲームばかりしている最近の子ども達よりは逞しくなるに違いない。しばらくは公園でめだかやドジョウすくいくらいならまだ相手ができるだろうが、体力の衰えた老体には寒風吹きすさぶアウトドア遊びの相手は難しくなってくる。

そんな彼らだが、いつ我が家に遊びにきても退屈しないように、知育玩具だけはを常備しておきたい。たまにはグーパの家に来て童心に還る楽しみを作っておけば、顔を見せにくるかもしれない。

アルバイトで稼いだ小遣いは右から左へと通販で消えてゆく。「お金は天下のまわりもの」を実感する。これはこれでまた、老年の楽しみなのである。もっともすぐに見向きもされなくなるのだろうけれど・・・。

そのうち、お小遣いだけもらいにくるかもしれないな(でも、あげないョ~)。

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ブレッドボードとタミヤの組み立て玩具

 

インド_旧シッキム王国とダージリンを訪ねる旅

令和元年から二年にかけての年末年始はインド旅行に出かけた。

私にとっては初めてのインド旅行だ、行き先は旧シッキム王国とダージリンインド好きの妻が決めた今回の旅行の目的地であるシッキムSIKKIMは、ガイド本「地球の歩き方」にはスイッキムと表記されている。おそらくこちら方が現地の発音に近いのだろう。

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シッキムの州都ガントク全貌

現在はシッキム州としてインドの一部になっているシッキム地方は、ネパール、ブータン、中国の三国と国境を接し、ヒマラヤ山脈に連なるインド東北部の辺境の山岳地帯である。奇妙な形で突き出たインドの最東端の領土とインド亜大陸をつなぐ狭い継ぎ目の部分に位置する。わずか50年足らず前まではシッキム王国として独自の国家であった。住民の7割がチベット仏教の信徒でインド国内の他の地域と異なる独自の文化を継承する地域だ。

ここには王国の象徴的存在であった世界第三位の標高を誇るカンチェンジュンガ(8586m)がそびえている。ちなみに世界第一位はヒマラヤ(中国名チョモランマ)、二位はK2(ケイツー)である。

日程は、下記だった。今回利用したツアーは西遊旅行社の催行プランだった(GDIN26)。

 

12月28日(土):成田(11:30発)-(Air India)-デリー・インディラ・ガンジー空港(18時着)泊(宿:ITC WELCOME DWARKA)

12月29日(日):デリー(ホテル発8:00、空港11:15発)ー(Air India)-バグドグラ空港(13:15着)-(借り上げ4WD車で移動)-シッキム州都ガントク(19時着)泊(宿着19:20:DENZONG REGENCY)

12月30日(月):ガントク市内観光(タシ・ビューポント、ルムテク寺院、エンチェ僧院、ツクラカン僧院、バザール散策)-ガントク泊(宿:連泊DENZONG REGENCY)

12月31日(火):ガントク(宿発:8:15)-(借り上げ4WD車で移動)ーペリン(13:50 宿着)-市内観光(カンチェンジュンガ展望、古刹ベマヤンツェ僧院)-ペリン泊(宿:ELGIN MOUNT PANDIM)

1月1日(水):ペリン(発7:55)ー(借り上げ4WD車で移動)西ベンガル州ダージリン(着:13:30)-市内観光(ヒマラヤ動物園、ヒマラヤ登山学校)ーダージリン泊(宿着:17時:WINDAMERE)

1月2日(木):ダージリン観光(4:30発カンチュンジュンガ展望台タイガー・ヒル、朝食後ダージリン・ヒマラヤ鉄道乗車(ダージリン駅発10:10からグーム駅着11:00まで)、午後市内観光、自由散策)ーダージリン泊(宿:連泊 WINDAMERE)

1月3日(金):移動日:ダージリン(発7:30) ー(借り上げ4WD車で移動)ーバグドグラ空港(着11:00、発13:50)-(Air India)ーデリー・インディラ・ガンジー空港(着16:15、発21:15)ー(Air India 成田へ)

1月4日(土):成田(着:8時)-(高速バス、横浜)-(京急電車)-自宅(11:30)

 

 

 

 

子は育つ

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世界第三峰カンチェンジュンガ(8586m)の夜明け(元旦)

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ダージリン Windamere Hotelのhappy new year

令和二年の年明けはインドの地方都市で迎えた。

三が日の明けた一月四日の朝、デリーからの直行便で成田に帰国した。

昼前に自宅に戻り、恒例の丹波の黒豆だけを煮て、あとは睡眠不足の解消にはやばやと就寝。

翌一月五日は日曜日。年末年始の連休の最終日だった。明日の仕事始めを前に昼前に息子達が孫を連れて年始の挨拶と孫たちへのお年玉を求めて狭い我が家に集まってきた。

定番のおせち料理は、伊達巻、紅白のかまぼこ、数の子、酢だこと出来合いの料理を朝一番でスーパーマーケットに買いに行き、黒豆を添えて重箱に詰めて準備万端。

あとはおなじみの卓上焼肉とポテトサラダ、雑煮がわりの豚汁、魚貝の刺身が我が家の正月おせちメニューだった。デザートは歳暮にいただいた産地直送の弘前のりんごと愛媛の紅まどんな。

孫たちの成長が著しい。

姉弟喧嘩も華々しいが、不思議とすぐ何事もなかったように一緒に遊んでいる。

そんななか、なんと言っても、子ども達の食欲が凄まじい。

重箱にたくさん詰めた料理も煮上がったばかりの黒豆も焼肉用の十勝牛も日暮れを待たずに跡形も無くなった。

一番下のへーちゃんは、さらに大きめのおにぎりを三個、ペロリと平らげた。

彼はクリスマスプレゼントで貰った釣りゲームで鍛えた成果で、年末に葉山の海でハゼを二匹釣り上げたことが自慢だ。

一番上のカンくんは背が伸びてすでに母親の身長を超え声変わりの時期を迎えている。もう母親の膝に座るには大きくなりすぎている。鳥取の母方の田舎で過ごした年末年始に喘息が出てしまい体調はイマイチのようだったが喧嘩する年下のいとこ達を呆れながらに面倒をみて、午後には二人を引き連れて駅前の電気屋に電子部品の買い物に出かけた。

買い物から帰り真ん中の紅一点、マドちゃんは半田ごてで火傷をしながらも黙々と理解不能の工作を作っていた。最近は自分の健康状態が気になるらしい。時々、唐突に心臓がドキドキするとか胸が痛いと言ったりする。大丈夫というと何事もなかったようにケロリとして遊んでいる。今年は歌コンのワンマンショーはなしだった。

大人は歳をとり、子どもはどんどん成長する。

雑煮も七草粥も食べずに早々と松が明けた今年の年頭だったけれど、当たり前のことを当たり前に喜べることが嬉しい遅ればせの正月の団欒だった。

インド旅行の詳細は写真の整理がついたらアップしたい。