会津駒ヶ岳に登る

こんどの週の後半は夏休みの予定なので、体調が良ければ南アルプスに行きたい。
出来れば長年の夢、念願の日本第3位の高さを誇る間ノ岳の頂上に立ちたい。
今年はまだ一度も山歩きらしい登山はしていない。
理由は持病の腰痛や神経痛がどうなるか不安だからだ。
こればかりは歩いてみないとわからないので、南アルプスを目指すなら試してみないとならない。
お試しの山歩きとして、それほどきつくない(はずの?)会津駒に行くことにした。
金曜日の夜、桧枝岐村のキリンテ白樺キャンプ場(1泊5百円、車も1台5百円)に前泊して
きのうの土曜日、朝6時少し前に滝沢登山口から歩きだした。

最初の30分の急登ですぐ顎が出てしまった。
脈拍も毎分130になってすぐにバテバテ状態だ。
今年はまったく運動らしい運動をしていないから当然と言えば当然だろう。
あとはゆっくり、ゆっくりと登り、水場に7時10分、駒の小屋が8時32分、休み休みで頂上(2133m)に9時7分に着いた。




会津駒はいまから19年前に一度来ているので、頂上に立つのはこれが二度目だ。
あいにくガスが上がってきてしまい、ほんの一瞬だけ燧ヶ岳の双耳峰が見えただけで
残念ながら頂上からの眺望はなかった。
このあと往復2時間かかる中門岳に向かったけれど、ガスで視界がなかったので途中で引き返してしまった。
尾根道には意外に残雪が多く、冷気が上って下界の猛暑が嘘のようだ。
山の花々もようやく咲き出した感じだ。








下山にかかるとガスが切れた。東北南部の会津の山々は美しい。
往復6時間余りの静かな登山は充実感のある山歩きになった。
しかし腰の具合が良くない。この程度の山歩きで腰が張って痛くなってしまった。
下山してすぐコルセットを装着してしまうようでは過酷な南アルプスは論外だろう。
お試し登山の結果は、予想通りだったのかもしれない。
汗だくになって公共の温泉「燧の湯」(入湯料500円)で汗を流し、
19年前にも立ち寄った蕎麦屋「まる家」で名物の裁ち蕎麦を食べ、
道の駅に寄り道がてら帰ってきた。
帰路、福島県内で前が見えないほどの集中豪雨に遭遇した。
きっと山の上でもとんでもない雨になっているのだろうと心配になった。
結局昨日は、夕暮れ間近の19時少し前に帰宅できた。
今日は暦の上では大暑だ。
朝起きてみると嘘のように腰痛は消えている。
例によって歩き疲れの筋肉痛はあるが体調は極めて良好だったので、
六本木の国立新美術館に「ジャコメッティ展」を観に行った。


独特な細長いホルムが特徴のこの芸術家の、ある意味で頑固で孤高の人生が垣間見られた。
結果ではなくて過程こそが芸術だと考えていたようだ。
抽象が主流となった現代彫刻における新たな具象の始祖ともいえるかもしれない、
楽しく面白い作品を見ることができた。
孫のカンちゃん、マドちゃん、へーちゃんに見せたい気分だ。
午後は在庫が尽きたスパイスを日の出町で仕入れ、
夕方は大相撲を観ながら、買ったばかりのクミンパウダーを使って初めてのビーフカレー作りに挑戦した。
味は一日たった明日になって評価したい。