太平洋低気圧の発達で関東地方に雪が降った建国記念日の三連休は古都の雪景色を撮影しようと京都に撮影旅行に出かけた。
京都では時々雪がちらつくが積雪はなく、期待した銀世界を写真に収めることはできなかった。
駅前の定宿(日本館)を根城にして、初日は定期観光バスに乗り、二日目、三日目はぶらぶらと市内を観光した。
足掛け三日で8寺院と2神社を訪ねた。
雪姿の町並みや寺院の撮影はできなかったので、ぶらぶら旅は日本の絵画と石庭をテーマにして、由緒ある国宝や文化財を訪ねる旅となった。
長谷川等伯と夭逝した息子の久蔵、狩野山楽と狩野派の仕事、近代日本画家の堂本印象の障壁画、竜安寺と大徳寺の石庭、北野天満宮の紅梅と白梅、伏見稲荷の朱色の鳥居群。
(北野天満宮紅梅)
(北野天満宮白梅)
(竜安寺石庭)
(かすかな日差しの中で雪が舞う石庭)
(伏見稲荷)
(東寺のアオサギ)
大きな木造伽藍の中の淡麗な水墨の世界や極彩色の襖絵、薄日のさす白砂の流れの中に浮かぶ奇岩。
虚空を見つめる物言わぬ仏像たち。
絵画も庭も仏像も、時空を超えた幽玄で静寂の世界の中にあった。
京都を旅すると重厚な歴史の扉の向こうに踏み込むことになる。
いい機会になったので日本の美意識について考えてみたい。