年の瀬どき

今年も残すところあと一ヶ月となった。

十二月に入った途端、世の中が忙(せわ)しくなる。

街を歩くとあちこちからジングルベルの調べ。

喪中葉書に歳暮のチラシ、おせち料理のパンフレットやファミリーレストランの割引券、買い物をすると福引の補助券と、

色々なものが一気に押し寄せて来る。

いつもは閑散としている百貨店の事務用品売り場のレジにも長蛇の列だ。

カレンダー手帳の購入のようだ。

十一月最期の土日はかんちゃんがパソコンを担いで泊まりに来た。

床屋嫌いで、髪の毛がヤマアラシのようになっている。あるいは狼少年のようだ。

黙々と続けていた夏の自由研究の延長でドリンクサーバーのためのコップを運ぶ子機を作りたいようだ。

どんどんと内容が複雑になる。

コップを認識して、マジックハンドで挟み、親機のもとまで運ぶのがコンセプトのようだ。

すでに本人の頭の中には完成品のイメージがあるようで

そのためのプログラムを考えたいと我が家に来ても、一心不乱ににパソコンに向かっている。

気分転換を兼ねてヨドバシカメラに工作部品の調達に出向いたが、品数がなく見るだけで帰ってきて、

細々(こまごま)としたタミヤの工作パーツは土曜日の午後に通販で注文した。お急ぎ便なので翌日の昼までには届く。

世の中の喧騒とは無縁の夢見る少年の世界が羨ましい。

まるで絵空事のような計画も、ちゃんと実現されるのが驚異だ。

高価な通信用パソコンボード(ラズパイZERO Wi-Fi)やカメラモジュールはクリスマスプレゼントとしてサンタさんに頼むのだと言う。

しぶとく年末行事を押さえているところが、小憎らしい。

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