新型コロナウイルスによる死者が急増している。
そのなかで志村けんの逝去のニュースには驚いた。つい数日前、テレビで彼の若かりし頃のエピソードを辿る番組で発病前の元気な姿を見たばかりだったので、感染の報道は目にしてはいたが、正直、まさか亡くなるとは思っていなかった。訃報は言葉にできないほどの驚きだ。
昭和25年の早生まれで、学年はひとつ上だが今年70歳はまったくの同年代だ。
この感染症の死亡率はおよそ3%前後、感染しても8割の患者が軽症で、残る2割が重症化するといわれている。
北海道のひとつ下の従妹と93歳のその母親も一か月前に感染したが、大事に至らずに無事ふたりとも退院できたから、かなり重い持病がある患者や免疫力の低下した病弱な患者が感染した場合に重症化するとものと思っていた。
70歳は高齢とは言え、これからテレビの連続ドラマや主演映画の企画が目白押しの、まだまだ元気な彼がわずか十日余りの経過で亡くなってしまった。しかも最先端の人工肺を装着するほどの高度な集中医療を受けても救命できなかったことは衝撃だ。とても他人事とは思えない。
感染の危険があるために遺族の面会や看取りもかなわず、遺骨になって自宅に戻ったとの報道にも心が痛む。
ファンというほどではないけれど、もう白塗りのバカ殿の姿を見ることがないと思うと寂しい気持ちになる。昭和も平成も、だんだんと遠くなる。
心から冥福を祈る。ようやく咲いたベランダの赤いチューリップをせめてものたむけに供えたい。