筐体を作る

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不要不急の外出を控える要請に従ってほぼ一日中、家の中で過ごしている。

そもそも人生は不要不急の暇つぶしのようなものだから、家にいてもそれほど退屈な思いはしない。

家ですることといえば読書と音楽鑑賞が定番だけれど、このところの出版不況で行きつけの本屋が一ヶ月ほど前に廃業となり、もう一軒のブックセンターもコロナウイルス感染による緊急事態宣言にともなって休業してしまい、散歩を兼ねた時間潰しの立ち読みが出来ずに気に入った本が見つけられなくなってしまった。

おまけに、つい一昨日までは館内での閲覧は停止してもインターネットで予約した本の貸し出し窓口だけは継続していた図書館がとうとうすべての業務を完全に停止して休館となってしまった。

紙の本が読めなくなってしまったのは一大事。昭和生まれの前時代人にとって読書は紙の本でないと意欲が湧かない。

音楽を聴きながら、できることを考えた。

暇つぶしに家にある手頃な材料で筺を作ることにした。

簡単なものでも一枚の段ボールから切り出して作ると一つ作るのにほぼいち日かかる。

クラフトと呼ぶには単純な作業だが、大小さまざまな筺を作ると、これはこれで奥が深い。

あれこれ考えながら、もうかなりたくさんの筺が出来た。

何を入れるかを最初に決めて作る場合と用途を考えずに行き当たりばったりで作る場合と、淡々と手を動かしているとあっけなく時間が過ぎて行く。

もしもの時に備えて等身大の丈夫な筐体(きょうたい)を自作しておくのも悪くないかもしれないと閃く。

でも材料集めからしないといけない、それには少し時間がかかるかな・・・と、独り言を囁きながらの不要不急の毎日である。