完璧な本格的スポンジケーキを目指す

いろいろな包装紙や紙袋を使って箱を作ってみたが、材料がなくなり事務用品の店が休業中なので先に進めなくなった。思い立ってアマゾンで注文し黒いラシャ紙を購入した。

手当たり次第に家にある紙を張り付けみたが、表装は黒い紙が自己主張がなく、しっとりとしていて、ほとんど存在感を消して、静かに部屋の中に収まっているような気がする。

包装紙や模造紙を探してみたが適当なものが見つからず、どんな紙かわからないままラシャ紙の背景紙なるものを購入してみた。結果、大きな箱に入った788×1091㎜(117g/m²)の紙が届いた。2枚で約600円。手触りはなかなか良い。

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ちなみにラシャ紙とはなんだろうと調べてみると、ラシャに似た厚紙とある。

ラシャ?聞いたことがあるようなないような。

さらに調べると、ラシャとはポルトガル語のraxaで、ラサ産の毛織物のことだそうだ。12世紀ころセルビアの首都ラサで産した厚手の毛織物がこの名称で呼ばれ、日本には南蛮貿易で渡来した。当時のポルトガルの名称が名前の由来だという。つまるところ毛織物に似た紙だということだろう。日本語は面白い。ついでに調べると背景紙とはスタジオ撮影などの際の背景に使われるものとある。これで何個か箱作りをしたら、出来ばえを含めて感想を書きたいと思う。

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さて、本題のスポンジケーキについてである。

本を見たり、インターネットを観たりして、自己流で何回かスポンジケーキを焼いてきた。試行錯誤の結果、いくつか到達できたことがあるので書き記しておきたい。ちなみに写真のケーキは一昨日焼いたものだ。できれば食べる前に1日置いて馴染ませるのが良い。家内の評価では「完璧!」とのことだった。う〜ん、完璧というにはちょっとまだ自信がないけれど・・・。

使う道具はいつも同じ。計量はかりとボウル2個にシノア(薄力粉をふるう)、それにハンドミキサーと焼き型とクッキングペーパー。

材料は卵2個、薄力粉100グラム、砂糖80グラム、バター20グラムに牛乳大匙2だけ。ベーキングパウダーは使わない。隠し味に塩ほんのひとつまみを入れてもよい。トッピングにはドライフルーツをチェリーブランディに浸けてみじん切りにしたもの、本体の味付けにラム酒(あるいはウイスキー)大匙2やシナモンパウダー少々など(トッピングやお酒は入れなくてもよい)。孫のへーちゃんは何も入っていない方がお好みだ。大人は少しだけ洋酒が入っている方が印象的な味になる。

下準備では、卵は室温に戻しておく。バターと牛乳は電子レンジ500ワット40秒で溶かしておく。泡だて用に使う湯煎のためのお湯を沸かしておく。湯煎の温度が重要。湯煎の温度が低いと十分泡立たずに焼いても膨らみが足りなくなる。沸騰した湯と水道水を1対1に混ぜると温度が55℃になるのでちょうど良い。小麦粉はシノアで2回ふるっておく。バターは入れないとのレシピもあるが少量だけ入れている。オリーブ油でも良いかもしれない。

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(記載した材料の組成は横20センチ、深さ6センチの容器の分量)

製作開始。

全卵に砂糖を加え、湯煎しながらハンドミキサーで泡立てる。初めは中、後半は弱で混ぜる。ツノが立つようになったら(およそ5分で固くなる。湯煎の温度が低いと15分混ぜてもふんわりとならないので注意)、泡立ったタネを少しとってバターと牛乳に混ぜてボウルに戻す。バターと牛乳はそのまま混ぜるとせっかく泡立ったタネがしぼんでしまうので注意。何回かに分けて手際よく小麦粉を加えて切るようにして混ぜる。練らないように注意する。これでタネの完成。この時点でドライフルーツを混ぜると焼いている途中でケーキの下に沈んでしまうのでまだ混ぜない。ここまでの間に電気オーブンを180℃の予熱をセットしておく。

クッキングペーパーを敷いたケーキ型にタネを入れ、トントンと台の上に落として底を平らにして予熱であたためておいたオーブンに入れる。2〜3分焼いたらタネの上にトッピングを乗せる。入れるタイミングが遅いと本体の中に入りにくくなるので注意。オーブンの温度は180℃、焼き時間は20分。途中焼き色を確認してオーブン内の位置を変える。オーブンの底に直接置いて焼くと底の部分が焼け過ぎるので焼き皿の上に乗せて焼く。25分以上焼くと焼きすぎで上の面が焦げてしまうので注意。

綺麗な焼き色がついたらオーブンから出し、すぐに型から出して自然に冷ます。冷めたら乾燥しないように包み室温で一日寝かせる。 すぐに食べても良いが、切るのは冷めてからが良い。これで完成。

よく似た焼き菓子にはパウンドケーキやシフォンケーキがある。それぞれ微妙に作りかたが違うのでここで参考のために書いておく。

パウンドケーキはイギリスが発祥の地で、小麦粉と卵と砂糖をそれぞれ1ポンドずつ入れるのでこの名前で呼ばれる。

シフォンケーキはアメリカ由来で、卵の黄身を抜いて白身だけを泡だてたメレンゲで作る。

そもそもスポンジケーキの本体は小麦粉と砂糖と卵だけを混ぜて焼くのが本流だが、自己流ではドライフルーツを入れてフルーツケーキのようにしている。本体に何も加えずに生クリームをまぶしてイチゴを乗せればショートケーキになる。ふくらし粉(重曹)を入れて焼くとよく膨らむが独特の味がするので、適温で湯煎しながら卵と砂糖を泡立てればふくらし粉なしでも大きく膨らむから入れる必要はない。牛乳やバターは入れないとするレシピがあるけれど、生クリームなどを塗ったり挟んだりしないのなら少し入れた方が風味が良くなるような気がする。牛乳の代わりに生クリームを入れて焼いてみても特に違いを感じなかったので今では入れていない。砂糖に加えて人工甘味料を少しだけ入れるとしっとりとした焼き上がりになると書いてあるネット情報もあったが純粋な自然素材だけでつくっている。

これだけの材料で我が家の小さな焼き型からはみ出てしまうほどになるスポンジケーキ1個の原価はおよそ百円あまりだから格安で混じり物のない安全なお菓子である。準備から焼き上がりまで1時間の手軽なおやつでもある。

あと少し改良を加えて完璧なスポンジケーキ作りを目指したい。