風はまだまだ冷たいが、電車に乗って古民家めぐりの散策に出かけた。
ぶらぶらとかやぶき屋根の古民家や農家がつづく坂道を歩く。
日差しが心地よい。
まるで別世界に迷い込んだよう時間だった。
ほんの50年間前までは農村はこんな環境で日々を暮らしていたかと思うと気が遠くなる。
暖房は囲炉裏だけ。板の間や筵を敷いた竹の床に座って、さぞかし冬は寒かっただろうと、貧しく厳しい毎日の苦労をつくづくと思う。
日の当たるベンチに座り持参のおにぎりを食べ、暖かいお茶を飲み、昔の日本人の暮らしの辛さを思った。