連休は黒湯温泉で過ごす

f:id:darumammz:20220510121932j:image

今年のゴールデンウイーク後半は秋田の乳頭温泉郷黒湯温泉で過ごした。

自宅からちょうど650kmを愛車に荷物と必需品の折りたたみ椅子を積み込み、休憩を含めて12時間の自動車旅行だ。

連休なのに予想外に道が空いていた。新型コロナウイルス感染による蔓延防止等緊急措置(まんぼう)が解除され高速道路はまさに長蛇の列になるだろう予想していたが、下り上りとも東北道はほぼガラガラと言ってもよいほどの交通量だった。

黒湯では自炊棟に泊まった。旅館部で食事付きに泊まることもできるけれど、食事の量が多すぎて食べきれず、連泊はきつい。食事は一汁一菜で十分なお年頃になってしまったので、連泊の温泉旅行では、自炊棟や湯治棟があればそちらに泊まることにしている。ちなみに黒湯に来たときには、きりたんぽ鍋を作って食べるのが定番だ。

まさに湯治で、調理以外は何をするでもなく残雪の残るブナの森を眺めながら、朝な夕なの白濁の露天風呂三昧で過ごした。

退屈しのぎに食材の山菜採りを兼ねてフキノトウ水芭蕉が開く近隣を散歩したり、車で近くの観光地にも足を伸ばした。

秋田駒ヶ岳山麓の桜はちょうど散り始めを迎え見頃の時期だった。見上げる秋田駒ヶ岳の頂はまだすっかり雪に被われていて軽装登山はできない。そういえば今年も高齢者の春山遭難のニュースが絶えない。きっと昔取った杵柄で大丈夫だと侮って登山に出かけ事故にあっているのではないだろうか。

車で小一時間の桜で有名な東北の小京都、角館武家屋敷周辺のソメイヨシノはもうすっかり散ってしまっていた。コロナ禍以前ほどではないのだろうが、汗ばむほどの晴天に恵まれて新緑の柳が五月の風に揺れる清々しい初夏の風情を多くの観光客が楽しんでいるように見えた。ここは稲庭うどんが名物だ。最近では比内鶏の親子丼も名物になっているようだ。両者賞味した。

f:id:darumammz:20220510121955j:image

f:id:darumammz:20220510121959j:image

弘前ではもうすっかり桜は散ってしまっている「さくら祭り」を5月5日のこどもの日まで開催しているようなので、車を飛ばして行ってみた。弘前城公園の桜は若葉に被われ、遅くまで咲き残る枝垂れ桜もすでに終わってしまった園内ではあったけれど大勢の観光客の姿があった。例年ならば満開を迎え咲き誇るソメイヨシノを眺められるはずと、きっと早くから旅行を予約しておいたのに桜が早く咲きすぎてしまい残念がっていることだろう。弘前では公園近くに移築された洋館のカフェでアップルパイを食べた。市内のスーパーマーケットを覗くと青森の春の名物、クリガニを特売していたので温泉宿の夕食のおかずに買って帰った。

f:id:darumammz:20220510122338j:image

f:id:darumammz:20220510122041j:image

今回は4泊5日のんびり湯治旅だったけれど、俗世を離れ、ブナの森を渡る風に吹かれ、温泉に浸かって一ヶ月ぐらい山の中で過ごせば、すっかり心の垢が落ちて、超然とした仙人のようになれるのかもしれないと思う。まだ少し残っている人生の使い方をこの際、考え直すのも悪くない気がしてくる。

「食う、寝る、遊ぶ」が人生後半の最優先の生きる目標にしようと思ってきたが、「食う、寝る、温泉」が究極かもしれないと考えるこの頃だ。