立秋

今日は立秋。なぜか昨日、今日と涼しい日が二日続いた。寒い暑いと騒いでも季節はしっかりと巡る。

昨日は金沢八景駅からバスに乗って鎌倉の鶴岡八幡宮ぼんぼり祭りを見に行った。

少しはやく家を出て途中、浄明寺で下車し、隠れ家のような古民家の寿司屋「和さび」で夕食をとって日暮れを待った。

「和さび」は昭和初期の古民家で営業する小さな寿司屋で、寿司を握る主人と給仕の初老の男性(息子さんか)、会計を担当する高齢のご婦人三人で営まれている。過去にタイムスリップしたような錯覚に陥るここでの営業は今年で二十八年になるという。当代一代限りの営業だと言っていた。

古民家寿司「和さび」

親指ほどの大きさに握られた江戸前寿司がここの名物だ。カウンターはわずか八席、突然の訪問だったので後方の和室でコースを頂いた。初めて訪れたが、好事家には有名な店らしい。話のタネに一度は訪ねてみる価値があると思った。小さな寿司でも19貫も出てきたので満腹になった。日本酒の銘柄が選べないのが残念だった。食後、八幡宮までおよそ二十分ほどをあまり歩いて行った。

鶴岡八幡宮ぼんぼり祭り

ぼんぼりというよりは灯篭に近い

八幡宮ぼんぼり祭りはしめやかなお祭りだ。立秋前後の三日間だけ行われている。

薄明りのなかに浮かぶ四百あまりの灯篭が幻想的な雰囲気を醸し出していた。若い女性の浴衣姿が目立った。蒸し暑い夏の夜、涼をもとめて老若男女が集い、行く夏を惜しむ行事なのだろう。しかし今年は暑すぎる。早く涼しい秋がきてくれることを願って帰ってきた。