山陽本線青春の旅➖その1

卯年に繋ぐ寅年最後の年末年始旅は青春18キップを使って小倉から関西へと山陽本線を遡る鈍行列車旅に決めた。山陽本線は瀬戸内海沿岸の工業都市神戸と関門海峡を海底トンネルである関門トンネルで結び九州の玄関である門司を鉄道で繋ぐ西日本の大動脈だ。今回の旅は終着を京都に、各駅停車を乗り継いで瀬戸内海に面する各地で美味しいものを食べながらの究極のんびり贅沢旅行にすることにした。

12月27日の11時25分羽田発の全日空便に乗り福岡空港に飛びまずは下関を目指す。

 

福岡空港から地下鉄で博多、JR九州に乗り換え、小倉で今回の主役である山陽本線に乗り継いだ。九州のJR列車はなんだか勇ましい姿をしている。乗ってすぐに関門トンネルを抜け、あっけなく九州を離れ、ほんの二駅先の下関駅に着いたのは16時33分だった。もう本州に戻って来た。関門トンネルの通過は僅か数分だった。

乗り継ぎの都合上、青春18キップは下関駅で購入した。夕闇が迫り、一泊目は下関観光はなしで、駅から徒歩5分の下関ステーションホテルに泊まった。下関の目玉イベントと言えば、なんと言っても、冬が旬のトラフグ三昧だろう。歳男である寅年最後のイベントには最もふさわしいに違いない。久しく福をもらってこの寒い年末を乗り切りたい。

夜は新幹線とレンタカーで下関入りした長男と孫一行に合流して、ホテルの宿泊プランのトラフグコースを食べた。 食事会場はホテルの外の駅前の居酒屋「和(なごみ)屋」だった。

料理は前菜(白子豆腐とゼリー寄せ)、皮、刺身、白焼、唐揚げ、雑炊にデザートのアイスクリームで、鰭酒が付いた。追加で鯨の盛り合わせも頼み、まさに食べ放題、ボリューム満点で完全に食べ過ぎてしまった。

年の暮れを控えて、27日までは全国旅行支援の割引が利用できたので、1泊目の費用は宿泊に食事代を含めて四割引のひとりわずか6900円だった。おまけに3000円のクーポン券がついてきた。居酒屋のメニューを見るとトラフグのフルコースセットは一人前8800円だったので、それを差し引くとほとんどただのような宿泊プランだ。なかなかこんな経験はできないだろう。貴重な体験となった旅の初日だった。