今年の台風一号がフィリピン周辺で発生して、日本列島では早々と線状降水帯の発生が予想されている。各地の水害が心配な状況だ。例年の事とはいえ、大きな被害が出ないことを祈りたい。
そんななか先週の金曜日はいい天気になる予報だったので一念発起。ずっとご無沙汰の尾瀬ヶ原散策に行ってきた。実に二年ぶり。
例年の如く早朝4時半に家を出て、尾瀬ヶ原の登山口、戸倉の駐車場に向かう。
出発後4時間の8時半に到着したが、駐車場は満車、第二駐車場も満杯で、戸倉スキー場に向かう。この駐車場はまだ三分の一程度の駐車率だったが次々と車が駐めに来る。
鳩待峠までのバス代は1300円に値上がりしていた。ずっと以前は千円しなかったのにご時世を感じた。
峠は工事中。鉄筋の新たな施設二棟を建造中だった。でも登山口の看板前は観光客や登山者で大混雑だった。
今回も我が家の定番の日帰りコースで尾瀬ヶ原を散策。

山の鼻のキャンプ場では朝はまだ数張程度だったが、午後にはソロテントが所狭しと場所をとって立派なテント村ができていた。山の鼻に今年はツバメがいない。以前に来た時にツバメ避けの工事をしていたからそのせいだろうか。


晴天だった。至仏山の残雪が少ない。自然保護の目的で、とうとう今年の無雪期は至仏山の登山が禁止になってしまった(7月以降はどうなるのか不明)。至仏の頂はもう幻のピークになってしまうのだろうか。山の鼻から牛首を経てヨッピ橋を越えて東電小屋で昼食。持参の火器でお湯を沸かしてコーヒーを飲んだ。東電小屋にはツバメが飛んでいた。

お昼休みを終えて、ヨッピ橋に戻り竜宮を目指すのが定番のコース。
今年の尾瀬ヶ原は水が少なく例年の風景とはちょっと違う印象だった。一面が枯れ野の状態だった。

水芭蕉はすでに盛りを過ぎてしまった様相だ。それでもタテヤマリンドウは当たり年であちこちに群落を作って咲いていた。なかなかお目にかかれないヒメシャクナゲもちらほら咲いていた。今回初めてカエルの姿を見た。池塘で盛んに鳴いていてもこれまで一度も姿を見られなかったが、たまたま木道の下に這い出してきた一匹を目撃した。体調は7、8センチくらいで濃い焦茶色だった。一瞬だったので写真は間に合わなかった。
池塘にはたくさんイモリが泳いでいた。

東電小屋近くの湿原ではいつもに比べてリュキンカが少なかった。竜宮あたりには大きな株のリュウキンカが木道にそっていつものように咲いていた。水芭蕉はもちろんだけれど、尾瀬ヶ原の花のもう一つの見どころはリュウキンカの群生だ。力強く輝く黄色を見ると元気を貰える気がする。
竜宮から山の鼻に戻る木道はツアー客で長蛇の列。

最後の鳩待峠へ登りは辛かった。それでも標準タイムの50分で辿り着いた。
鳩待峠では山小屋の建て替えで巨大クレーンが鉄骨を吊り上げていて
周囲の景色とまったく不調和だった。
戸倉スキー場駐車場には16時前に到着。十分日帰りできる時間だったけれどもう歳なので戸倉温泉の温泉民宿〈三角屋根が目立つ「尾瀬かもしか村」(一泊二食付き8000円)〉に一泊して土曜日に帰って来た。手打ち蕎麦つきの宿の夕食はボリュームが多すぎて半分くらい残してしまったのが、申し訳なかった。蕎麦はとても美味かった。また食べたい。帰りは翌朝の民宿を7時半に出発してわずか三時間で自宅に着いた。

