松井冬子展

生憎、曇りの日曜日。
散歩に行くには寒すぎるし、
家では退屈なので、
地下鉄駅のポスターが気になっていた
現代日本画家の松井冬子の展覧会を見に行った。

その作品群は異界の具象だった。

(藤の花に無数に群がる黒い蜂)
初め油絵画家を目指し
長谷川等伯に触発されて日本画に転向した彼女が描くものは
精緻な覚醒と狂気とが共存する
出会わないことを望みながらすぐ近くに内在する日常の世界を
薄暗い画面に表出させて、
知らなくてもよい世界を垣間見てしまった衝撃の作品群に
疲れ果てて帰ってきた。