
日本列島は尋常ではない酷暑の季節となり新潟を含む関東以西の地方では耐えがたい日々が続いている。7月28日の夕方、熊本ではまた大震災があった。仕事帰りのJR電車の中でニュースを観て知った。この暑さの中、過酷な救命救援活動が続いている。ひとりでも多くの方が一日も早く助かることを心から祈らずにはいられない。救護する方々も過酷な条件のなか昼夜を分かたぬ命がけの活動に頭が下がる。来週はもう立秋だが、8月を迎えても本州北側の東北地方では梅雨前線が停滞して未だに梅雨が明けない。
ともかく、どこでもいいので関東の烈暑を逃れて涼しいところに数日でも避難したいと思い、長野の山中にキャンプに行くか、雨を承知で東北の温泉旅に行こうかと仕事中に思案していると、いつも行っている秋田の乳頭温泉黒湯の自炊棟が空いていると妻から連絡があった。2泊しかとれないので他を探すと黒湯に近い玉川温泉の自炊棟も空いているそうだ。天気予報では東北地方はずっと雨。最高気温も25℃以下の予報だった。ひょっとしたら予報が外れることもあるかもしれない。ままよ、東北に弾丸納涼温泉三泊四日旅行に行こうと決めた。
7月29日の朝3時に起床。前夜におにぎりを作ってもらい早起きは得意中の得意3時40分に出発。まず玉川温泉に向かうことにした。途中可能なら八幡平を散策したい。
玉川温泉はがんに効くと全国的に有名だ。ここははじめて行く温泉だ。がん患者はもちろんのこと、がん発病の予防でラジウム浴をしている方々もいた。



途中盛岡の手前で前が見えない凄まじ豪雨になった。ノロノロと運転して昼過ぎに八幡平に到着。案の定、予報通りの八幡平は濃霧と雨、視界5メートルでとてもトレッキングができる状況ではなかった。
玉川温泉は立派な施設だった。自炊棟にはずらっと個室が並ぶ。大浴場にはいくつも浴槽があった。温泉は強酸性、源泉100%のお湯に浸かると数秒で体のあちこちがピリピリする。目にお湯が入ると激痛だ。
一周約1キロくらいの遊歩道になっている源泉近くの岩の間には地熱を利用した岩盤浴の小屋が並ぶ。周囲にはラジウムの放出する場所があって冷たい地面に茣蓙(ござ)を敷き傘を刺して岩盤浴をする人達もいた。見たことのない風景だった。持参のガイガーカウンターで放射能を測って場所を決めているという。






(大浴場の写真はネットから借用,盗撮ではありません)
初日の夕食は持参のカレーを温めて食べた。ここの炊事場には炊飯器が置いてない。有料でレンタルらしい。皿もないので売店で紙皿を買った。黒湯温泉の自炊棟と比べると鍋、釜、レンジとトースターはあるがその他の調理備品は乏しい。夜半、強い雨が降った。
二日目。朝は小雨。宿を9時過ぎに出発して、もう一度八幡平に行ってみたが、濃霧と風で早々と撤退。このあと三日目に秋田駒ヶ岳の避難小屋で一緒になったグループの話では午後から晴れたそうだ。少し時間が早すぎたようだ。諦めて田沢湖に向かう。田沢湖周辺は曇り、秋田駒ヶ岳は雲に覆われて見えない。までだ昼前なので田沢湖駅近くのスーパーマーケット(グランマート田沢湖店)で食材の購入。買ったお弁当をレジ横のカウンターでチンして食べた。便利な世の中になったものだ。ドルだてにすれなば日本のちゃんとした弁当でも3ドル相当。インバウンドの観光客にとってはほとんどただみたいに思えるだろう。

少し早いが乳頭温泉黒湯自炊棟に入れてもらった。黒湯にはもう何度も来ている。自炊棟は時間に縛られず自由に過ごせるのが良い。一年ぶりの利用だが、あちこち改装されていた。男湯の露天風呂に新たに打たせ湯が増設されていたし、自炊棟のトイレも変わっていた。炊事場には以前は利用者が置いていった調味料がたくさん残っていたが、今回はすっかり片付けられていた。混浴の露天風呂は改修中で閉鎖していた。
時折激しい雨が降った。二日目はこのまま部屋で沈殿、温泉三昧で過ごした。夕食は持参したジェノベーゼソースでじゃがいもとモロッコインゲン入りのパスタを食べた。

三日目の朝は小雨からだんだんと止んできた。上空は厚い雲に覆われて、もう八幡平トレッキングは諦めて、小雨でも安全に登れる秋田駒ヶ岳に登ることにした。運が良ければ弥陀ケ池周辺にはニッコウキスゲが残っているかもしれない。この時期はマイカー規制で八合目まではアルパこまくさからバスに乗らないといけない(往復1500円)。

小雨は霧雨になり,八合目の小屋から歩き始めると雨は上がり一面のガスになった。登山道の周囲は高山植物が花盛りだ。この山は手軽に登れるけれど花の山だ。歩き始めておよそ1時間で平らな木道に着いた。あたりは一面のガスで視界はおよそ10メートル程度。頂上はまったく霧の中で眺望は期待できない。弥陀ケ池避難小屋で軽食をとって、頂上には登らずに横岳から焼森を通って下りきた。残念ながらもうニッコウキスゲはすっかり終わっていた。
下山後は温泉でまったりする。ここの湯は玉川温泉とは違って肌に優しい。まさに癒しの温泉だ。小雨の中の露天風呂がまた格別に気持ち良い。夕食は定番のナポリタンだった。おそらくナポリタンはこの温泉宿でしか食べることがないソウルフードだ。ずっと朝夕も日中も涼しくて最低気温は17℃、最高気温は22℃で過ごしやすかった。関東に居れば、信じられないほどの涼しさだ。まさに避暑の目的を達成することができた弾丸温泉旅行だ。

四日目は早朝に宿を出ていっさい寄り道せず、高速道路をひた走り、自宅には午後2時半に着いた。途中カーラジオでは走ってきたばかりの秋田地方に大雨警報が出ていることを告げていた。秋田は意外と近い。自宅のベランダに吊るした寒暖計は秋田より15℃の差があった。関東はとてつもなく暑い。



































































