近畿横断ぶらぶら歩き(後半の続き)

2月13日、京都駅からJRに乗って宇治に行った。
平等院の観光が目的だ。
駅を降りると突き当りに銭湯、有馬湯があった。
静かな商店街を歩くとお茶屋さんとお菓子屋さんが並んでいた。
香ばしいお茶の匂いに包まれてお茶団子一本53円を買って食べる。
平等院は45年ぶりだ。

修学旅行の記憶では大きな建物だったように憶えているが、目の前の国宝は意外とこじんまりしていた。
中心部には仏師定朝作の阿弥陀如来が鎮座する。
額には水晶の玉が埋め込まれて、顔かたちは丸みを帯びて全体にほっこりした感じの仏像だった。
南と北の壁面には雲の乗る菩薩の彫刻が掲げられていた。
これが良かった。全部で52体の彫刻は躍動感にあふれている。
堂内は撮影禁止なので写真集を買ってきた。
屋上の鳳凰の姿が千年の時空を偲ばせる。

宇治駅まで戻り再びJRの列車に乗ってさらに奈良に向かった。
唐招提寺に行きたかったからだ。
井上靖の「天平の甍」の舞台となった寺だ。鑑真の律宗寺。
鑑真は艱難のすえ日本に辿りつくが、すでに招聘の時期から大きく時間が過ぎ
何もない私寺に居を構えたその住まいの姿が平成の大修理を終えて静かに佇んでいる。

改修の様子を特集して何度もテレビが放映していた。
奈良から名古屋まで私鉄で行きたかったが時間がかかり過ぎると地元の人にあきれられたので、
近鉄奈良駅までバスと徒歩で行き、

駅への道すがら柿の葉ずしを買って
結局、京都に戻り車内で寿司を食べながら新幹線で帰ってきた。
畿内をうろついた贅沢な旅行だった。
腰痛もすっかり良くなってしまった(神経性腰痛という言葉があるらしい・・)。