名ピアニスト逝く

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3月にはイタリア出身のピアノの巨匠ポリーニ、4月には60歳を過ぎてから日本国内で発売した音楽CDが驚異的なミリオンセラーとなったのをきっかけに有名になった個性派ピアニストのフジコ・ヘミングが亡くなった。それぞれ享年82歳と92歳の年齢なので天寿を全うしたと言っていいのだろう。まったく個性や来歴の異なる二人の名ピアニストが続けて逝去されたのは寂しいかぎり。

このところ家にいる時間が長くなり、 書斎のWi-Fi環境、Bluetooth、ミニコンポ、オープンエア・イヤホンなどの道具を刷新した。一新した音響装置で早朝から寝るまで、ほぼ一日中音楽を聴いて過ごしている。ジャズかクラシック音楽を主に聴いており、ともに特にピアノ曲を聴くことが多い。奇しくもこの二人の演奏はしばしば聴いていた。

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ポリーニは若くして権威あるショパン国際ピアノコンクールで優勝し、その後10年間の沈黙を破って華々しくデビューし、正確で揺るぎない演奏を特徴とし、フジコ・ヘミングは聴力障害と言う演奏家としては致命的な挫折を乗り越え、個性豊かな独特な演奏によって彗星のように現れた遅咲きのスターと、同じ曲を演奏しても表現がまったく異なる芸術家は両者とも世界中に多くのファンを持つ20世紀末から21世紀の初頭を代表する名ピアニストだ。

追悼に二人の演奏を偲んで、それぞれの奏でた音楽のように、華麗なフルーツタルトと濃厚なチーズケーキを手向けて冥福を祈った。