憧れの槍ヶ岳ーその1

いろいろ予定があって年末を含めてもう年内はこの秋分の日が最後の三連休だ。
台風15号で荒れた週半ばに続いて天気予報では三日続きの晴れが期待できる、
久し振りで、絶好の好天の休みになりそうだ。
あちこち行きたいところはあるけれど
思い切って北アルプスに行くことにした。
涸沢も魅力的だし、まだ少し早いかもしれないが立山の紅葉も憧れだ。
一昨年行ったのに雨で何も見えなかった薬師岳もリベンジしたい。
北アルプスの象徴、槍ヶ岳は日本列島で富士山に次ぐ有名な山だから
山に登る人でもそうでない人でも一度は登ってみたい憧れの存在だが、
深窓の令嬢のような、あまりに近づき難い高貴な存在で、
百名山の最後に登るにふさわしい山と思っていたので
いまだに登っていない。

(憧れの槍ヶ岳
でも還暦を過ぎて足元が覚束なくなってきて
ひょっとするとこのまま登れなくないるかもしれないと思うようになった。
と言うことで、一念発起、名山槍ヶ岳に行くことにした。
山仲間のKuちゃんを誘い、最近山歩きにハマったW夫妻にも声をかけて
行くならテント泊だ。
混雑する山小屋で寝返りも打てない夜には耐えられない。
脚慣らしのつもりでこの前の週末に登った乾徳山で体力低下を思い知らされたから
不安は大きいが、ゆっくりならなんとかなるだろうと出かけることにした。
だめなら小屋に泊まることにして自宅を23日の朝4時に出発。
上高地には10時少し前に着いた。

まだ人はまばらで河童橋からの奥穂は雲に覆われて見えなかったけれど、

たぶんこの快晴だから登山客は溢れるだろう。
明神、徳沢を過ぎたあたりからもう登山者がどんどん増えてきた。

(明神は陽にあたって光っていた)
前日泊か夜行の客たちだろう。
13時半近くに着いた横尾にも沢山の人、人。

青空なのに穂高方面は頂が雲の中で見えなかった。
一泊目はババ平の予定。
ババ平は槍沢ヒュッテから意外と遠くて
16時に着いた時にはすでにテントが溢れいて
槍沢小屋跡(赤沢岩小屋)のテントサイトにはもうテントを張る余地はなかった。
少し登って槍沢の石だらけの河原が一泊目の野営の地だった。

予想以上に寒くて手がかじかんで感覚がなくなり
パラパラと雹まで降ったのでテントを張るのにも難渋した。
寒くてせっかく担ぎあげたビールが飲めないのには参った。
(封を開けたのに飲みきれず、残りを捨ててしまうとは・・・わが人生で前代未聞だ)
陽が沈んであたりが暗くなった18時過ぎに
遅れて出発したW夫妻も合流した。
一緒に酒盛りを楽しみにしていたが
持って行ったフリースにダウンを着て雨具も羽織ったが
冬山装備にして来なかったのであまりに寒くて宴会ができる状態ではなく
早々と19時には寝袋に入って大人しく寝てしまった。
夜半、満天の星、天の川が大きく中空を横切っていた。
でもしっかり着こんで寝たのに
今までテントで寝たなかでもっとも寒い夜だった。
(スリーシーズンの寝袋では限界だ、この時期でこんなに寒いとは想定外だった)
・・・続きはまた明日