映画「春を背負って」

雨の日曜日、映画を観に行った。
発券機でマイレージカードの期限が切れていて今年は映画を観ていないことにはじめて気付いた。
山小屋の主人が遭難者の救助で急逝し、都会の高層ビルで働くトレーダーをする一人息子が跡を継ぐ筋書きだった。
立山連峰が舞台で、雷鳥沢のキャンプ場、黒部湖、槍や剱が美しい姿を見せる。
映画そのものはテレビドラマのような、ほんわかした展開で緊張感がいまひとつの出来だった。
監督は「剱岳点の記」の木村大作の第2作目だ。
古風なカメラワークで広々とした山の空気の描写は見事だったが、
過酷な山の現実や若者の苦悩しながら成長する姿を、
もう少し脚本を練って踏みこんで描いて欲しかった。
でも山を知らないものでもこんな映画を観ると、すぐにでも山に出かけたい気持ちになるだろうから、作品としては成功だろう。
観客が高齢者ばかりなのには驚いた。