横山大観展

今日は母の日。
天気が下り坂なので、遠出は諦めて横山大観展東京国立近代美術館に観に行った。
偶然、天皇皇后両陛下の観覧に出くわしたのには驚いた。

大観と謂えば何と言っても富士山と朦朧体だろうが、
展覧会を観たあとの率直な印象として、大家としての大観のイメージは大きく変わった。
伝統的な日本文化の担い手や文化勲章受章者としての大観のイメージを誤解していたといってもよい。
重苦しく、一面で定型的で、親しみを抱くには崇高すぎ、ある意味で胡散臭い先入観を大観に対し抱いていたが全くの誤解だった。
作品群を現代の視点から眺めると、稚気に溢れ、デッサンは甘く(あるいは気にしておらず)、
冒険的に周到な準備をした結果の画面には軽妙・洒脱の進化を残していた。
親しみやすく、一途で、ぶきっちょで、創造者としての勇気に溢れた画業に感銘を受けた。
晩年の端正な富士と白波の絵にも凄みを感じた。多面性のある、時代の要請を生きた芸術家だったと思う。
もし生前に知り合いだったら心酔してしまったかもしれないなあ。


展覧会のあと皇居を抜けて銀座まで歩き
定番の銀座ライオンでしこたまビールを飲んで帰ってきた。


今回のつまみはハムの盛り合わせ、ジャーマンポテト、独特の固いフライドポテト付きフライドチキンだった。
ジャーマンポテトもフライドチキンもチェーン店の居酒屋でたべるものとはまったく違って、
老舗の矜持を感じた。
いつも決まった店に寄り道して発展性はないけれど安らぎはあるかな。
(好きなものは好きでいいのだ)