真夏日にミュシャ展に行った

今日も暑かった。
各地で気温が30℃を越えたようだ。
真夏日なら海にも行きたくて迷ったが、以前から必ず観たいと決めていたミュシャの展覧会を六本木の国立新美術館に観に行くことにした。
展覧会は大変な混雑だ。
余裕をもって開館まえの時間に着いたのに券を買うのに15分、入るのに30分の大行列だった。



ミュシャが後半生のすべてを注いだ荘厳な大画面に圧倒される。
壮大なスラブ叙事詩に登場する人物の表情はすべて暗い。
チェコの歴史と波乱にとんだスラブの運命だからだろうか。
計算されつくされた場面構成と卓越の技法で仕上げられた画面は静かな悲しみに満ちていて、
こころ躍る躍動感や溢れるような生命感が伝わってこない。
まるで去っていった過去へのレクイエムのようだ(それが本来の趣旨かもしれなが・・・・)。
製作が今からもう100年前なので、当時のヨーロッパの状況が色濃く反映しているのだろう。
あるいは、アールヌーボーの旗手として華やかなイメージのミュシャが持つ本来の内省的な性格の投影かもしれない。


巨大な偉業と向き合ってすっかり疲れ果ててしまい、
そのあとは例によって銀座七丁目ライオンのビールで一息。
大ジョッキが瞬く間に空いてしまった。
つまみは定番のロング・ガーリックトーストに冷製ハムの盛り合わせのビアホールプレートだ。
外は陽炎が立つほどの炎天下だった。乾いた歩行者天国が眩しすぎる。



ほろ酔いの腹ごなしにとなりに新開店のGSIXを冷かしてきた。
ここは全体にチープな印象だった。
帰ってから、あとは昼寝で日が暮れた。