深夜バスに乗って

駅前始発のバスにのって
深夜の国道をとろとろと帰る。
終着のバス乗り場までには
街中を越えて暗がりの道を走る。
とろりとろり、とろとろと走り
暗闇を抜けると
満天の星空が見えた。
一瞬の夢のようにも思えたけれど
バスはまだまだ走ってゆく。
夜空に吸い込まれて
このまま朝に向かって行くかもしれない。
飲みすぎた酒がまわって
境目が分からなくなる。
ガタンと音がして
終着の停留所に着いた。
あたりは静かな夜の世界だ。