対馬紀行

文化の日の連休を利用して長崎県対馬に行った。
なぜ対馬かというと・・・、大した理由はないが
たまたま司馬遼太郎の「街道をゆく壱岐対馬の道」を読んだからだ。
魏志倭人伝日本書紀古事記に登場する日本の起源とも言える
孤島に衝動的に行ってみたくなった。
神話の島への旅の前夜、福岡に泊まった。

渡航の前夜祭は中州の40年続く屋台で地物の名物を食べ、焼酎を飲んだ。

古色に染まる(垢まみれのような)小さな屋台には新鮮なネタがあった。

目の前でアナゴの天麩羅や地物の幸を料理している。
(籠や道具はとっても汚いのだ)
翌日の午前、福岡空港から飛行機で島に渡った。

飛行機が遅れて、着いたのは昼近くになってしまい、
予定した島の北端にまでは到達できなかったが、
対馬自然保護センターでは天然記念物のツシマヤマネコは見ることができた。

(夜行性なので寝ている姿だけだったけれど)
宿は島の南部にある下県(しもあがた)の由緒正しい西山寺(せいざんじ)だった。

すでに日が暮れる時間に辿りつくと端正な禅寺の宿舎は厳原港を見下ろす
港の近くあった。

遥か昔、朝鮮通信使の留った寺だ。
宿舎の主だろうか、寺の禅僧に聞くと、昔の場所とは違うらしいが
端正な石垣に囲まれた寺は綺麗に管理されている。
臨済宗南禅寺派の寺であるここに二泊した。
朝鮮半島と日本の歴史はとてつもなく長い。
神話の世界以前の神功皇后(じんぐうこうごう)の三韓征伐に始まり
その子である応神天皇から始まる日本神話のとてつもない昔、太古のロマンが広がる。
(・・・この稿つづく)