井の頭公園探訪

GW前半の3連休の最終日はどこという当てがないので、
昨日の朝のNHKで放送していた「さわやか日本百景」の舞台、井の頭公園に行ってみることにした。
放送ではたくさんの野鳥の姿が流れていたので、ひょっとすると野鳥たちの珍しい決定的瞬間が撮れるかもしれないと期待が膨らむ。
長い迷路のような地下道をたどって渋谷で井の頭線に乗るとわずか二十分たらずで吉祥寺駅に着いた。
明治大正昭和と多くの文人が愛した武蔵野の代表するこの地の名前はよく聞くが、他県人にはあまり来る機会がないなじみの薄い場所だ。
まぶしい光のなかを駅からほんの十分も歩くと公園に到着した。
園内に入ると甲高い鳥の鳴き声が響く。
浮巣の設営に忙しいカイツブリ(鸊鷉、古名を鳰(にお)という)の鳴き声だった。
その他の野鳥の声も聞こえたが鴨以外の野鳥の姿は見つけられなかった。
水辺には2メートルを越える青大将が日向ぼっこをしていた。





玉川上水を挟んで武蔵野市三鷹市に分かれる井の頭公園は緑深い森だ。
そのど真ん中を占める井の頭池では澄んだ水が風に揺れて変幻自在の水紋を作り、
無機的な喧騒に溢れる都会で美しい影に富むオアシスとなっている。
まさに昔日の武蔵野がそのままの風情で残っているのだろう。
木陰のベンチに腰掛け、昨日捕った湘南の蛸を入れて炊いてもらった蛸飯の握り飯を頬張りながら、持参のビールでのどを潤した。
ザックの底に詰めてきた持参のビールは保冷剤のおかげでしっかりと冷えていた。



初夏の薫風に吹かれながら冷たいビールを飲むと、まさに天にも昇るここち。
緑陰はまさに別天地だった。
水棲生物自然園や動物園、ジブリの美術館は覗かなかったけれど
何度来ても楽しめそうな緑の楽園の散策だった。