はや十年

月日の経つのが早い。高齢になるとなおさらだ。
今度の土曜日にはカンタロ氏が満十歳の誕生日を迎える。
ときどき病気をし、まだまだ甘えん坊で生クリームのケーキが苦手な、
好奇心旺盛で繊細な感性を持つ少年に育った。

先週の土曜日、湘南の家であった誕生日を祝うバーベキューには恒例の被り物で迎えられた。
庭先に出した七輪には着火剤なしに小枝を集めて火をおこし肉や魚貝や野菜を焼いて食べた。
締めのデザートは父親の焼いたチーズケーキだった。
ほんの少し焦げ目の味がして、これが家族をつなぐ愛情の絆の味だと感じた。
ジジババにできることはあるかと考えるけれど、個性豊かに育っているので
どれほどの手助けも必要ないようだ。
怪我や事故に気を付けてくれればほかにいうことは何もない。
それでも、「テストでは100点をとってくださいな」と小声でつぶやきたいなあ。