武陵源は今回の観光旅行の最大の目的地だ。
カルスト台地が風化によって削られ、鋭い石の峰となって連なる地である。
映画「アバター」の舞台として使われた景観の地で有名だという。映画を観ていないのでどのような作品か詳細は分からないが、太古の昔から中国の奇景として水墨画に繰り返し文人達に描かれてきた地であることが景色を眺めてすぐに納得できた。
(途中で立ち寄った世界文化遺産の遺跡、この地の少数民族が築いた老司城)
武源陵では最初に宝峰湖(ほうほうこ)で観光遊覧船に乗った。
透明な水をたたえる静かな山間の湖では湖上にうかぶ小舟から民族衣装に身を固めた男性と女性が掛け合いの歌を歌って観光を盛り上げていた。
武陵源は張家界市の郊外にあたる武陵源区にある。ここに連泊して周囲を取り巻く山に登った。
武陵源はまさに天空を目指す石峰林の形容がぴったりの景色だった。
絶景に言葉を失う。
私たちの暮らす地球が辿る歴史の重みを感じた。
(御筆峰)
(十里画廊の象徴、山菜を採る老爺の峰)
(三姉妹)
トロッコ列車に乗ったり、ロープウェイに乗ったりの多彩な観光を謳歌した。
四日目と五日目は武陵源の市街地にある天子大酒店(Emperor Hotel)に連泊した。
オプションの観劇やイベントをキャンセルして、朝夕の自由時間にはそれほど広くない町中の繁華街を散策した。
文化は食に受け継がれる。路地裏の店先には、日本でもよく池や沼で見かけるアメリカザリガニそっくりの赤黒い小エビが食材として山積みになり、地面に直置きした水槽には一抱えもある頭の大きなサンショウウオが売られたいた。高級食材として売られている。
朝早くから路上には屋台が朝食や昼食だろう弁当を販売し、日暮れが近づくと麺類をはじめとしてして様々な品数を示す看板が道端を賑わせる。
夜の町は華やかなライトアップと大音響、川沿いの道に広がり踊るものや歌うもの、活気にあふれていた。
朝になると夜の喧騒がまるで嘘のような静寂の町に戻っていた。
(武陵源の市街地)
六日目、 いよいよ旅も終盤。
小雨のなか野猿の遊ぶ渓流(金鞭渓)を散策し、極彩色に照らされた黄龍洞(鍾乳洞)を小舟で周遊し、雨が上がり観光地として新設さればかり張家界大峡谷ガラス大橋に脚を伸ばした。
この日の真夜中の航空便に乗って上海に戻り、七日目の昼前に上海浦東空港をたって帰国の途に就いた。
4月15日午後四時前に成田に帰ってきた。