村上海賊の娘

新書本ばかりを読んで少し飽きがきたので久しぶりに長編娯楽小説を読んだ。
和田竜「村上海賊の娘」(新潮文庫、全四巻)。

荒唐無稽な、まるで劇画のような中世の戦記物だったが、一気に読んだ。
読み終わって巻末の解説を読んで驚いた。
主人公の娘(景:きょう)以外の登場人物がすべて実在の人物をモデルにしているという。
巻末に参考文献が揚げてあったが、その数が半端でないのに二度びっくりだ。時代考証が緻密になされている。
この作家の小説は「のぼうの城」以来2作目だ。
小説家はやはりとてつもなく普通の人たちではないことを実感した。