桜酔い

東京の桜が満開を迎えたとインターネットに載っていたので
今日は目黒川の桜並木と東京管区気象台の桜の標本木がある靖国神社に行ってみた。
目黒川は生まれ育った実家のすぐそばを流れている。
中目黒駅で降りて川沿いの道を行くと、
昔の姿からは想像できないお洒落な店が並び
花見客はロゼのスパークリングワインを片手にそぞろ歩いている。
子どの頃は両手で作った輪よりも細かったソメイヨシノ
いまでは大人の腕でもひと抱え以上もある老木となっていて


節くれた幹から川面に伸びる枝に過ぎ去った月日を感じた。
どの花も薄桃色というよりも純白に近く桜酔いして眩暈を起こしそうだった。
西郷山公園の裾野にある菅刈小学校は一年だけ通った我が母校だ。寄り道すればよかった。
人波に押されて池尻大橋駅まで歩き地下鉄半蔵門線に乗って九段下駅で下車した。
眩しい地表に出てみると日本武道館で法政大学の卒業式が行われていた。
艶やかな袴姿の女性や正装した親子がたくさん歩いていた。
女性の袴姿は卒業式だけの風物詩になっているけれど、見方を変えて伝統の民族衣装だと思えば
それほど違和感なく眺められる気がする。
久しぶり訪れた靖国神社もすっかり整備されて昔来た印象と全く違っていた。



標本木はたしかに満開の白い花をつけていた。花数は多くはなかった。
すぐ近くに腰を下ろしてお昼ご飯にした。
今日持参のお弁当は大海老フライに卵焼きと豪勢だ。
発泡酒を一本だけ飲んだ。


千鳥ヶ淵の桜はまだ八分咲きだった。
あと数日で桜吹雪になってお堀の水面も花筏になるのだろう、
春爛漫。