テント泊軽量化大作戦

年を取ると体力が衰えるのはいたし方ない。
肉体的な機能の低下、例えば老眼とか歯がなくなるとか、禿とか難聴とかは年の功と自慢できるが、
悲しいのはそんな機能の低下ではなくて平衡感覚の衰えだろう。
階段を下りても、急に立ち上がってもフラフラ、よろよろする。
ときどきまっすぐ歩けなくなることもある。
そんな衰えを踏まえて、少なくとも気持ちだけは前に進むことを諦めないことが
これからは老人力の真骨頂だろう。
年寄りの冷や水こそが、老人の意気の見せ所だ。
6月末には八ヶ岳オーレン小屋岳樺キャンプ場にソロテント泊で天狗岳と硫黄岳に登った。
8月初めの週末には八ヶ岳北部の双子池から亀甲池周遊ソロテント泊トレッキングに行った。
まだまだ山に登る。自然の懐に抱かれていると生きている実感が湧く。

(8月4日の双子池・雄池)

(8月5日朝の亀甲池)
ラソン好きが炎天下でも走るように山好きは春夏秋冬、山に登りたいのだ。
かといってヨレヨレの老人である。なんといっても、転ばないようにしないといけない。
そこで、知恵を絞る。
まずはしなくてはいけないことは全面的な装備の見直しだろう。
最近はやりのUL(ウルトラ・ライトの略)、快適テント泊軽量化計画、・・・じっくりと考えてみる。
装備の中で一番重いのは何といっても、テントだ。ツエルトもいいかもしれないが、快適なのは圧倒的にテントだ。
我が家のすでに20年近く使っている二人用小型テント(フェルカド)はジュラルミン・ポール込みでちょうど2キロある。
巷では超軽量ソロテントが流行っているようだが、一人用は狭すぎるから二人用で自立型で風に強い構造でないといけない。この条件だとどうしても1.5キロ前後の重量になって、いまの武器と比べて500グラムくらいしか軽量化できない。わずかにペットボトルの水一本分だ。ここは思案のしどころだ。
二番目からが、難しい。
手あたり次第に重さを測ってみると、
次に重いのはリュクサック(1.6キロ)だった。
次が雨具(NorthFaceゴアテックス上下、600g)と寝袋(イスカ・エア280、600g)。
飲料水を除くことはできないので、諸々の小物と食料も再考してみる必要がある。
コッヘルセット(エバニューチタンセット、500g)にガスストーブのボンベ(380g)。長袖ダウン(380g)、あとは着替えだろう。α米は一袋110g。
カメラは別格だが、もっとも軽い単焦点レンズを付けても500gはある。
できれば総重量を10キロ以内にしたい。
体力は衰えても「知恵で勝つ!」のである。
考えるのはタダだが、装具の見直しの難点はなんといっても費用がかかる点だな。