東京散歩

昨日はうすら寒い曇りの日曜日。
朝からゴロゴロして本を読んだり、ビデオを見て過ごしていたら、
家内がどこかに出かけたいと言うので、東京散歩に行くことにした。
首都圏に住んでいても滅多に東京観光には行かないので、
行き先を決めず充電済みのiPadを道連れに電車に乗った。
幸い横浜駅を過ぎて座れたので、iPadを出して行き先を決めようとしたら、
Wi-Fiのルータが電池切れでインターネットに繋がらない。
さて、困った。どこにいっていいかわからない。
とりあえず都営地下鉄の大門駅で降りて、ぶらぶらする。
観光案内板がなくて右も左もわからないが、東京タワーが見えたのでそちらに歩いて行った。

大きな門がある、これが大門の由来なのだろうか。
増上寺の門だった。
このお寺は徳川家の菩提寺だった。明治の廃仏毀釈と太平洋戦争でお寺のほとんどは焼けてしまったそうだ。

(お寺の屋根の向こうに東京タワーが伸びる不思議な光景だ)
お寺は節分の豆撒きの準備中。周囲は高層ビルで、その中にぽっかりお寺の境内がある。
お寺の向かいは慶応大学の薬学部のビルだった。
慶応に薬学部があったかと考えたが、そういえば数年前に共立薬科大学を吸収したことを思い出す。
共立薬科大学は今年93歳になる義母の母校だ。
当時の女性大学生といえば、超エリートだったのだろう。
津軽の田舎から婆やつきで上京していたと聞いたことがある。相当の大尽の実家だったのだろう。

(節分の豆まきをする年男、年女の看板が出ていた。相撲の力士の名前もあった)
昼時になったので食べ物屋を探すが、都会の日曜日は肩の凝りそうな洋風のレストランがそこここにあるくらいで
気楽に入れそうな店がない。
薄日が差してきたので、ぶらぶらと捜すつもりだったが、腹が減って結局また地下鉄に乗って浅草に行った。
浅草は観光客でいっぱいだ。どこの店も長蛇の列でなかなか入れそうもない。
定番の駒形どぜうも店の前には黒山の人だかり。

待ち時間が1時間以上になりそうなので諦めて、浅草寺の境内を抜け、食べ物屋を探す。
圧倒的に中国人の観光客が多いが、なかには白人もいた。
西洋人にとっては中国とはまた違った異文化の日本はきっと面白いだろうなと思う。


(猿回し)
結局、以前に入ったことのある紀文寿司で江戸前寿司を食べた。
店内は薄暗く、ちょっと鄙びた寿司屋だが、寿司はめっぽう上手い。いまは五代目が寿司を握っている。
これだけの老舗だから、せめて椅子と照明ぐらいは新しくしたほうがいいと思うけれどなあ。
ビールのあと燗酒を2本飲んですっかり昼酔いしてしまい、観光を続けられず、あとは電車に乗って帰ってきた。