令和二年の年明けはインドの地方都市で迎えた。
三が日の明けた一月四日の朝、デリーからの直行便で成田に帰国した。
昼前に自宅に戻り、恒例の丹波の黒豆だけを煮て、あとは睡眠不足の解消にはやばやと就寝。
翌一月五日は日曜日。年末年始の連休の最終日だった。明日の仕事始めを前に昼前に息子達が孫を連れて年始の挨拶と孫たちへのお年玉を求めて狭い我が家に集まってきた。
定番のおせち料理は、伊達巻、紅白のかまぼこ、数の子、酢だこと出来合いの料理を朝一番でスーパーマーケットに買いに行き、黒豆を添えて重箱に詰めて準備万端。
あとはおなじみの卓上焼肉とポテトサラダ、雑煮がわりの豚汁、魚貝の刺身が我が家の正月おせちメニューだった。デザートは歳暮にいただいた産地直送の弘前のりんごと愛媛の紅まどんな。
孫たちの成長が著しい。
姉弟喧嘩も華々しいが、不思議とすぐ何事もなかったように一緒に遊んでいる。
そんななか、なんと言っても、子ども達の食欲が凄まじい。
重箱にたくさん詰めた料理も煮上がったばかりの黒豆も焼肉用の十勝牛も日暮れを待たずに跡形も無くなった。
一番下のへーちゃんは、さらに大きめのおにぎりを三個、ペロリと平らげた。
彼はクリスマスプレゼントで貰った釣りゲームで鍛えた成果で、年末に葉山の海でハゼを二匹釣り上げたことが自慢だ。
一番上のカンくんは背が伸びてすでに母親の身長を超え声変わりの時期を迎えている。もう母親の膝に座るには大きくなりすぎている。鳥取の母方の田舎で過ごした年末年始に喘息が出てしまい体調はイマイチのようだったが喧嘩する年下のいとこ達を呆れながらに面倒をみて、午後には二人を引き連れて駅前の電気屋に電子部品の買い物に出かけた。
買い物から帰り真ん中の紅一点、マドちゃんは半田ごてで火傷をしながらも黙々と理解不能の工作を作っていた。最近は自分の健康状態が気になるらしい。時々、唐突に心臓がドキドキするとか胸が痛いと言ったりする。大丈夫というと何事もなかったようにケロリとして遊んでいる。今年は歌コンのワンマンショーはなしだった。
大人は歳をとり、子どもはどんどん成長する。
雑煮も七草粥も食べずに早々と松が明けた今年の年頭だったけれど、当たり前のことを当たり前に喜べることが嬉しい遅ればせの正月の団欒だった。
インド旅行の詳細は写真の整理がついたらアップしたい。