侵略

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ロシアのプーチンによるウクライナへの侵略が進む。強権を握る独裁者によって理不尽な侵略戦争が始まってしまった。プーチン核兵器の使用もちらつかせウクライナの領有を目指している。

日本を含め世界中の国々が心穏やかざる思いで今後の成り行きを見守っている。

想像するだけで息が苦しくなるような第三次世界大戦に繋がりかねない不幸で悲惨な事態が近づきつつあるのかもしれない。人類が破滅するかもしれない恐怖を感じながらこの数日を過ごしている。

21世紀を迎え地球規模の環境問題が深刻な中、まさかここまではと思うような有り得ないロシアによるウクライナへの侵略が進んでいる。独裁者は既に狂気の世界に踏み込んでしまったとしか思えない。

事態が一刻でも早く鎮静化し平和で穏やかな日に戻ることを祈らずにいられないけれど、日本にとってこの事態は他人事では済まされない。

北海道標津町の海岸に立つと青い海の向こうに国後島に立つ白い建物の並ぶ町が肉眼で見える。その距離はわずかに24キロメートルだ。本来は日本の領土でロシアが不当に占拠し実効支配する。現状では北方四島は日本に最も近い外国である。ロシア国家は日本のすぐ目の前に迫っている。

国境といえば、日本海に浮かぶ対馬から朝鮮半島はおよそ49キロメートル。晴れた日に岬に立てば隣国の青い先端が見えるはずだ。はるか昔の7世紀、大和の国から朝鮮半島に出兵した日本軍は唐・新羅連合軍との白村江の戦いに大敗して逃げ帰り、敵の襲来を恐れた大和朝廷対馬に城塁を築き大陸からの敵に備えた。日本の古代史を彩る荘厳なドラマだ。かつてこの小さな島を訪れた時、千年を超える時空に圧倒されたことがあった。どのような事由があったとしても国の境を越えた武力の行使は許されない。繰り返された不毛な戦争に勝者はいない。残るのは憎しみだけであることを歴史が物語っている。

その隣国よりもなおいっそう近い位置にある国後島にロシア軍は進駐し日本を見つめている。ロシアのウクライナ侵略は決して他人事では済まされない国家の危機につながる非常事態なのかもしれない。狂気の敵は侮れない。危機意識と不測の事態への備えにだけは手抜かりがあってはならない。

今、私たちにできることは何かと考えなければならない。清らかな大気、澄んだ水、美しい野山と海に恵まれたこの国の安全と平和について冷静に考えなければならないのだと思う。

どのような経緯や理由があろうとも武器と武力による侵略を許してはいけない。狂気による平和の蹂躙を許してはならない。沈黙は最も危険で醜悪な選択だ。諦めるまえに、怒りを持って声を上げなければならない。

未来のために平和を叫ぼう!侵略を糾弾しよう!

追記:ウクライナは西欧諸国でも最貧国に位置付けられる農耕国家だという。歴史的には太古の昔から近隣の勢力によって統治されていた時代や自らが近隣を領土として王国を成していた時代があった。ウクライナは四千万人を越す国民を持つ東ヨーロッパでは人口の多い国であり、ソ連から独立した以後は自立した国家として自由主義を掲げ、個人の尊厳を重視する国として国際的には承認されている。とは言うものの、内紛もあり、最近では黒海に突き出たクリミア半島をロシアの武力によって不法に併合された記憶が新しい。

プーチンウクライナの軍隊は名前だけの腰が引けた国防軍であると思っていたのかもしれない。強大なロシア帝国の軍事力に比べてウクライナの戦力は微弱だ。ロシア軍の年若い兵士たちにとってこの侵略は寝耳に水の事態であるに違いない。巨象と蟻の戦いのような状況の中、手こずる戦況に、ロシア兵達はいっそうこの侵略戦争の理不尽を感じているはずだ。両国の多くの命が無惨に失われている。

義のない戦いに勝利はない。

豊かに広がる小麦畑の向こうには青々とした黒海が広がる。青はあるいは無限に続く青空なのかもしれない。青と黄色のウクライナの国旗が平和な空にたなびく日が一日も早く戻ることを心から願っている。