あれから11年が経った

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東日本大震災から今日で11年が経った。巨大津波の襲来と福島第一原子力発電所の被災による放射線災害によって多くの住民が犠牲となり命を失いあるいは住む場所を失った。

被災地の棚上げや防潮堤の建設、生活道路の設営などの大規模工事はひと段落を迎えているが、今なお一万人以上の被災者が住み慣れたかつての住居地に帰還できない状態が続いている。あるいは除染がすでに終わっている被災地で再び放射能汚染が危惧される事態が出るなど、原子炉の放射能物質の処理を含め被災地の復旧には途方もなく長い年月が必要なことをあらためて認識させられる。

放射能汚染の続く地区にはこれからさらに数十年に渡り帰ることができない場所があることを現実として受け止めなければならない。汚染水はなす術もなく増え続け廃棄を含め差し迫った解決策を模索しなければならない現実にも眼を向ける必要がある。

避難した新しい場所ですでに十年を越して暮らす日々に、これからの新たな生き方、過去を顧みず前向きに新たな人生に向き合わなければ場面はさらに増えてくるのだろう。

目の前でかけがえのない家族を失った人々や築き上げた財産を手放してしまった人々の無念と悲しみは命ある限り消えることはないだろう。その胸の内の思いを持ち続けながら新たな人生に立ち向かわなけれならない苦労は幾許かと心が痛む。

しかし失ってしまったものはもう帰らない厳しい現実も受け入れて生きることが必要だろう。決して忘れてはいけないこと、でも思い出したくないこともたくさんあるだろうと思う。誰にでも残され時間は有限だから、限られた命の時間をしっかりと歩んで欲しいと願いたい。

世界で唯一の核兵器による被災国である我が国に天災とはいえ再び放射線災害が訪れことを想定していた国民はごくわずかであったろうと思う。

そんな閉塞感と哀しみの中で、ロシアによるウクライナ侵略の報道には怒りを感じる。歴史上最大の放射能汚染事故を引き起こしたチェルノブイリ原子力発電所を襲撃したロシア軍指揮官には怒りを通り越した憎悪を抱かざるを得ない。愚かな侵略行為を今すぐにやめるように叫びたい。恐怖で人を支配しようとする憎むべき行為を直ちに止めろと叫びたい。

プーチンはすでに狂っているとしか思えない。主義・主張や宗教、これまでの戦争の記憶と憎しみを超えて、全ての国の、すべての地球人がおぞましいプーチンによる侵略行為を直ちにやめるように力を尽くして欲しいと思う。

穏やかな追悼の志を持って震災記念を迎えたかったけれど、世界は危うい綱渡りの真っ只中にいる。被災して亡くなった方々の鎮魂のためにも世界が平和で、安全で、未来が希望で溢れていることを願って祈り続けたい。