カメラ今昔物語

はじめて自分で撮った写真。もう何を撮ったのか記憶に残っていないけれどカメラのことは覚えている。
兄が買ってきたオリンパスペンだった。
修学旅行にも持って行き自慢げに写真を撮った。
ハーフサイズで、36ミリフィルム一本に72枚が撮れるカメラ。
レンズ周りの装丁はビーズを敷き詰めたような仕様だった。
灰色のボディはとても斬新で、小さく軽くて、そのうちにもらってしまい大事な輝く宝物になった。
世の中はすでに一眼レフカメラが花形となり、はじめて聞いたカシャという大きなシャッター音は驚きだったが、こどもには高嶺の花で、とても手の届くシロモノではなかった。
しばらくして、ハーフの一眼レフ、オリンパスペンFが出た。
クラスメートが持っていて、あこがれの夢の器械だったが使ったことはない。
大学に入り初めて自分のものにした一眼レフカメラははKOWA。いまでは知る人もいないと思う。
その頃、写真部の部員たちは、すでにニコンを持っていた。
彼らがどこでどうやって手に入れたのかまったく不可解だったが、自分にとっては、KOWAのカメラは値段が手頃で満足だった。
工面して買った一眼レフカメラソニーのオーディオセットはそれだけしかない大事な財産だった。
周辺のピントが甘くてブレ気味の写真しか撮れないカメラだったけれど、青森県木造町太宰治の生家や深浦の海辺の列車を撮る写真旅行に夢中になった。
暗室で高感度トライX(iso(当時はASAといった)400のフイルム)に記録された獲物を印画紙に焼き付ける一瞬は感動そのものだった。
狩人の興奮と現れた画像に落胆する繰り返し。
社会人になって買った一眼レフはオリンパスOM2。なんとなくニコンやキャノンに抵抗があって郷愁を感じるオリンパスを買った。
天の邪鬼なのだ。これは今でも大事に持っている。

初めてデジカメで写真を撮ったのはカシオQV10。
職場の後輩(hikoちゃん)が買ってきてみんなでワイワイと写真を撮った。
パソコンでフォトショップを使って加工するのが面白かった。
一年で職場の隅に放置された哀しい運命だったけれど、職場の移転に伴い捨てるのが惜しくて連れてきた。
でももうどこにあるかわからない。
デジカメはもう何台も買った。長くて2年くらいで新しい器械を購入。
次々と高性能化して古いカメラは使われることもなく引出しのなかで眠っている。

最後に手に入れたカメラが、ブログに書いたキャノンG9だった。
でも壊れたので、今はママデジカメのキャノンpowershotA520をまた使っている。
近々、懐かしいオリンパスペンのデジカメ版が出るらしい。
またまた心穏やかではすまない予感。
高性能であったらうれしいな。
カメラの昔話。