甲斐駒ケ岳

連休を利用して南アルプス甲斐駒ケ岳に行った。
戸台・仙流荘前からバスに乗って北沢峠に辿りつく。

北沢駒仙小屋前のキャンプ場は
色とりどりのテントで賑っていた。

この小屋は以前は北沢長衛小屋と言った。
縁あって高校時代から、二代目北沢長衛さんにお世話になり
三千メートル級の山々に初めて連れて行ってもらった
南アルプスの記念すべき場所だ。
大学時代には小屋番もさせてもらった懐かしい場所。
アイゼンをつけピッケルを持ち初めて体験した厳冬期の登山や
仙丈のカールで滑落訓練をした
山登りの原点となった記念すべき場所だ。

レリーフは開拓者初代北沢長衛さん)
当時はまだ南アルプス林道のない時代で
戸台川の河原を延々とを歩いて丸一日かけてようやく辿りつける場所だった。
現在のキャンプ場はなく登山者もまれな静かな山奥の峠だった。
少し前までは中高年ばかりだったが
今ではカラフルに着飾った若者が大勢訪れている。

山合の夜空には満天に輝く星の中を流れ星が光り人工衛星が横切って行く。
明けて20日は快晴の日曜日。
四十年ぶりに甲斐駒ケ岳に登った。
仙水峠にたどり着くと

摩利支天を従えた甲斐駒の姿が神々しい。
真っ白な登山道と堂々とした頂は比類がない。

北沢峠を挟んで対峙する南アルプスの女王の名に恥じない仙丈岳が優美だ。

大勢の大手のツアー客で登山道は渋滞状態となりなかなか頂上に辿りつけなかったが

(駒津峯から六方石。ここが大渋滞。南アルプスがこんなに混むとは思わなかった。)
透きとおる青空と白い登山道に癒される。

(初テント泊で百名山の1番目登山を目指すW夫妻)
頂では雲海の上に富士山や槍ヶ岳穂高連峰をはじめ
四方の山々が一望に眺められた。

はじめて摩利支天にも足を延ばした。

(摩利支天は陽炎の化身、日と月の守護神とされる)

双児山を巡って樹林帯のなかの急坂を下って峠に戻り
午後4時の最終便のバスに乗った。
仙流荘前に置いた車に戻り中央道を帰って来たが
大渋滞(45キロ!)。
我が家に着いたのは翌日の午前2時だった。
懐かしい憧れの場所はけっこう遠かった。
(追伸:きょうは敬老の日なのに疲れて一日寝て過ごしてしまった、母ちゃんごめん)