言葉と文字のこと

言葉は人類の始まりを意味する。
高等生物である人類の大きな原点であるだろう。
聖書にも最初に言葉ありきと書いてあるらしい。
現代を考えると、言葉と同時に文字があることが人類の5千年の歴史を決めたように思える。
日本にも文字のない民族がいた。
代表的なのはアイヌだろう。
文化は言葉で伝承できただろうが文明には文字が必要だった。
振り返って日本だって文字が伝承したのはせいぜい5世紀だろう。
あるいはもっとあとかもしれない。
でも文化や人の営みがなかったわけではないのはすでに誰でもが認証している事実だ。
文字があれば歴史が残る。
過去から正確に事実を学ぶことができる。
21世紀のいま人類の繁栄は文字により共有されている。
文字のない時代は伝承が必要なかったのだろうか。
あるいは言葉には今と違う力があると信じられていたのだろうか。
高度な文明や文化を築いたアステカやインカ文明になぜ文字がなかったのだろう。
南北に広がるアメリカ大陸になぜ文字がなかったのか不思議でならない。
精緻な星の運行や暦を作った先人がなぜ文字を作り出せなかったのを想像しても理解できない。
多様な言葉と多様な文字。
一様でないことが重要なことだと思う。
グローバルという名前の文化や文明の一極支配には違和感がある。
この狭い日本にだって方言があることが貴重なのだ。
なぜ文字のない民族があったのか、
秋の夜長に考えみるのもいいかもしれない。