バスの話

職場のすぐ近くに停留所があるので、
雨の日や荷物の多い時はバスで通勤している。
今のバス運転手さんは大変だ。
停車するたびに前後の扉の開け閉めや料金の徴収、発車するたびに乗降客の状況チェックや指先確認など、
たくさんのしなければならない仕事がある。

昔、バスには車掌さんが乗っていた。
大概は、若い女性だった。
運転手さんは運転をするするだけで、あとの仕事は車掌さんがした。
今では観光バスにでも乗らない限り車掌さんにお目にかかることはない。
かつて、バスの車掌さんは女性のあこがれの職業だった時代があった。
「わたぁしは、東京のバス〜ゥ、ガアル〜」などと歌謡曲にに歌われた時代もあった(古いねぇ)。
いつからワンマンバスが当たり前になったのだろう。
最近知った言葉に『ワンオペ」というのがある。
牛丼店などで従業員1人が全ての業務を切り盛りすることで問題になった「ワンオペ(ワンオペレーション)」が語源で、
弊害もあって事故防止や負担軽減を目的に二人で仕事を分担する業界も増えているそうだ。
一人きりで業務を行う孤独な「個」の時代も少しずつ変わりつつあるのかもしれない。
清水寺今年の漢字に「金」が選ばれた。
オリンピックの金メダルラッシュに因んだからだろう。
印象に残るのは体操や卓球の団体戦だった。
個々の能力にチームの結束が加わって、感動の結果をもたらしたからだろう。
年寄りばかりが増える時代に、求められるのは結束するチームの力かもしれない。
バスの最前列の座席に座り、そんなことを考えた。