「ブータン 山の教室」

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天候不順の日々が続くので、いつもの小さなシネマ館に映画を観に行った。

ブータン最奥地の美しい山々に囲まれた辺境の地に建つ質素な学校を舞台に、いやいや赴任した新米教師とこども達との関わりを描いた映画だった。

以前に見たグリーンランドに赴任した新米教師の話に少し似ている。

幸福の国ブータンにも情報化や近代化の波が押し寄せ、

文明と文化のせめぎ合いの中で、今ある目の前の現代社会を生きて行く若者の姿を描く映画だった。

最近、ガラ携からスマートフォンに乗り換えたばかりの我が身ではあるが、伝統や経験、進歩と調和や守るべき物について考えさせられる展開だった。

なにが人生の幸せの姿なのか、きっと答えのない問いかけだろう。

映画の最終場面で主人公が歌う辺境の地の歌が心にしみた。

この映画の原題「ルナナ ヤクのいる教室」はよくこの映画も趣旨を表現している。そのまま日本の映画名にしてもよかったのではないかと思う。

現役時代、ブータンの国費留学生に何人か接したことがある。日本にいる間は茶髪に染めていた髪を帰国直前には元の黒髪の戻していたことを思い出す。帰国後、すでに時が経って彼らはこの国の指導者になっているのだろう。

映画を観ながらそんなことを思い出した。