沈黙の三ヶ月

新型コロナウイルスによる感染爆発、いわゆる第5波が収束に向かっている。

6月中旬以降に始まった第5波は、ワクチン接種の効果もあってだろうか、9月30日をもって緊急事態宣言が解除された。このところ東京都内の患者も二桁で推移し、新たな感染者数は連日前の週を下回っていると報道されている。

息を潜め、じっと我慢を強いられた長い三ヶ月だった。この間、大好きなビアホール「銀座ライオン」をはじめ一度も東京都内に行かずに過ごした。月に一度の楽しみだった、鎌倉駅近くの行きつけの寿司屋も営業を自粛してしまい、外食もとんとご無沙汰になった。

日雇いの職場には駐車場がないので仕事に行くときに公共交通機関を利用する以外の移動は自家用車に乗って、買い物はすぐ目の前のスーパーマーケットで短時間で過ごす毎日だった。

気分転換になんどかは山歩きや温泉に遠出をしたが、平日のヒトのいない過疎地域を選び、夫婦ふたりだけでコソコソと出かけ、温泉は自炊宿を探し、極力ヒトとの接触を避けて過ごした。孫達の顔もしばらく見ていない。

この期間、本をたくさん読んだ。日頃は読むことのないコミックも読んだ(ヤマザキマリさんの本がほとんどだったけれど)。このご時世のためだろう、図書館に貸し出しを申し込んだ本の順番待ちが長く、なかなか手元にとどかない。あきらめてブック・オフの通販で古本をたくさん購入した。これまで読んだことがなかったトーベ・ヤンソンムーミン谷の童話がおもしろい。自然の描写が秀逸だ。宮沢賢治の童話も奥が深い。ちなみに新刊は本屋に行かずAmazonの通販で買っている。

そのせいで本が増えて狭い我が家は置き場にこまる事態になってしまった。無造作に積み上げて置いた本は先日の地震で崩れそうになった(10月7日に千葉を震源とする東京・埼玉で震度5強の地震があった。自宅近辺は震度4だったけれど)。

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コロナのおかげで時間は十分あったので、段ボールで本棚を作ってみた。使用済み段ボールの再利用なので強度に不安があり、最初は小さめの2段の本箱を作ってみた。要領がわかったので、現在もう少し大きめな本棚(箱)を制作中だ。完成すれば文庫本や新書が100冊、大型本が50冊ほど収納できるはずだ。

秋たけなわの季節を迎えて、そろそろ友人を誘ってどこかに出かけたい気分だ。この年齢なると、これから先々のことを考えるのには限界がある。いつまで健康で過ごせるかもわからない。後期高齢者の仲間入りにはあと数年残っているけれど、すでに高血圧や座骨神経障害に慢性腰痛があり、平均健康寿命まではもう一年あまりしか残っていない。ワクチン接種を2度うけたとはいえいつコロナに感染するかわからないし、季節の移ろいを楽しむ体力や気力が時々刻々と減ってきて、今日を生きる時間が貴重になっている。