京都紅葉三昧(その一)

神戸には仕事で何度も訪れているが観光をしたことがない。洋館も港町も見たことがない。
しかしである。神戸での仕事が昼過ぎに終わり、神戸観光はせず京都に脚を伸ばした。
二泊して晩秋の古都を愉しむのが目的だ。神戸から京都は近い。JR快速で一時間かからない。
ちょうど紅葉シーズンでどこのホテルも満杯だった。
なんとか一部屋確保した駅前の小さなホテルに荷物を預けさっそく京都観光に出かけた。
京都界隈で好きな場所といえば東寺、三十三間堂清水寺知恩院・・・、あげればきりがない。
今回はそのなかで紅葉狩りをメインにすることにした。
とはいうものの紅葉三昧は明日と明後日にすることにして、17日はJR奈良線に乗り伏見稲荷を最初の訪問地にした。
ここを訪れるのは二度目だ。
小一時間かけ汗だくになりながら奥の院まで登った。
あたりは外国人ばかりだった。中国人、韓国人はもとより東南アジア、欧米人、イスラムの多いこと。

朱色の鳥居が続く境内は圧巻としか言いようがない。ここは、宗教施設というよりもまったく観光地だ。
おそらく世界中にこんな場所はないだろうから外国人が押し寄せる理由はとてもよく理解できる。
この日の観光はこれで終了として四条河原町から木屋町に向かって歩いていくと
小粋なおばんざいの店があったので一日遅れの誕生日祝いを兼ねて夕食をとった。



ここが大当たり。
狭いが店を切り盛りするご夫婦の雰囲気がよく、
メニューも豊富で値段も安かった。
二日目は寒波と低気圧が来て冷たい雨の日となった。
雨なので紅葉見物は穴場を訪れることにした。
この日訪ねたのは二尊院、浄住寺、金戒光明寺の三か所だった。いずれもメジャーな観光地からは外れている。
雑誌「ノジュール」が情報源だ。
嵯峨野の二尊院には本尊が二つある。釈迦如来阿弥陀如来の二体の仏像が本尊だ。それで通称が二尊院という。830年代から840年代に建てられた天台宗の寺院だという。正式名は小倉山二尊教院華台寺。なんとここは小倉餡発祥の地。
境内に入ってすぐの馬が走れるほど広い「紅葉の馬場」と名付けられた砂利道の紅葉が美しい。






嵐山に戻り阪急嵐山駅からまたバスに乗った。
次は浄住寺。この日がこのお寺始まって以来、初めての一般公開日で、訪れるとお坊さんの講話の会が開かれていた。この質素な古刹はいまから千二百年近く前に開かれた由緒ある寺で本堂はすでに三百年を経過して痛みが激しい。檀家を持たない寺で今後の運営をどうするかという難題を住職が話していた。
不思議な竹の林があったのが印象的だった。




次に訪れたのは金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)。ここもあまり知られていない寺だ。通称くろ谷さん(くろだにさん)と呼ばれ、知恩院とならぶ格式を誇る浄土宗の七大本山の一つで、法然上人ゆかりの寺だ。格式は高く、京都四箇本山(他に知恩院知恩寺清浄華院)の一つを占める。立派な山門が寺のランドマークになっている。紅葉の木はそれほど多くなくて少し物足りなかった。