都営地下鉄ぐるり旅

都営地下鉄の一日乗車券を買って東京ぐるり旅に出かけた。
浅草線はまず大門で乗り換えて、大江戸線の国立競技場前から歩き出した。
競技場の卓球選手権と書いた大きな看板の前を過ぎ、千駄ヶ谷の駅前を横目に見て、
明治神宮に今年二度目の初詣(?)。
喧騒を離れ大きな森の中を歩くとここが大都会の中であることを忘れてしまう。




行列してお参りを済ませあたりを見回すと、
周りは外国人ばかりだ。
日本人の信仰は単純明快、万物に八百万の神々が御座します。
人間世界は神様と奇跡に満ちていて、そのすべてを受け入れる精神がとても分かりやすい。
神苑は静寂に満ちているけれど、小腹がすいても食べ物屋台が一軒もないのは寂しい。

でも北参道の入り口には石焼き芋屋が白い煙を出していた、
きっと寒いなかの焼き芋はこれ以上ない至福と思ったが、まだこの後もあるからなあと自粛した。
地下鉄は景色がないのが寂しいが、代々木駅からまた地下鉄に乗り、次は都庁前で新宿線に乗り換えて蔵前で下車。
厩橋スカイツリーを眺め、駒形でどぜう鍋を食べた。
なんやかやとほぼ毎年、年のはじめはここに来ている。


隣は器用に箸を使って丸鍋をつつく一人旅の若いフランス青年だった。
片言の英語で話すと二週間かけて日本の各地を回っている最中だった。
猪口で日本酒を飲む姿が様になっている。
ネギ山盛りのどぜう鍋に、晒しクジラ、鯉の洗い、定番料理を肴に飲む熱燗は体に滲みる。
広間に座って足が痺れたが、それも含めて、なんとも日本文化は奥深い。
そのあと仲見世通りを歩いて浅草寺にもお詣りし、花屋敷前の商店街で今年の帽子を探したが
気に入った品は見つからず。
浅草は何度来ても感動がある。日本文化を代表する観光地は人種の坩堝だ。
合点がゆくのは女心は世界共通ということか。
金魚すくいも日本にしかないだろう。




演芸ホールの目の前の四ツ角には大きなホテルが建っていて、風情がすっかり変わって驚いた。
神谷バーにも寄ろうかと迷ったが、満腹なのでレトロな浅草地下街をひやかして
浅草駅から電車に乗り、うつらうつらして帰ってきた。