張家界天門山_中国湖南省の旅

今回の旅のみどころは奇岩と石峰の連なる奇観・景観と古い町並み散歩である。

中国観光といえば、北京と万里の長城、上海、西安敦煌、桂林と日本人にはなじみのある観光地が軒並みに挙げられる。

今回訪れた張家界・武陵源はまだあまり日本では知られていない場所だ。

しかし旅行好きには世界自然遺産文化遺産のあるぜひ訪ねたい有名な観光地らしく、桂林に勝るとも劣らない景勝地として知られているそうだ。

そもそも今回のツアーに参加するまで張家界(ちょうかかい、Zhāngjiājiè 、カタカナ発音ではヂャンジャージエ)の読み方すらしらなかった。その名の張家界は司馬遼太郎の小説「関羽劉邦」で有名な漢帝国創始者劉邦(漢の高祖)の軍臣、張良の墓があることに由来する。人口は160万人あまりの観光地で、現地ガイドの話では中国的には小さな田舎町だそうだ。

もともとは少数民族・土家(トーチャ)族や苗(ミャオ)族が居住する地域で、世界遺産に登録されるより前の1982年に張家界国家森林公園が設立され、その名がすっかり浸透してしまったことから、1994年に市名が以前の「大庸市」から「張家界市」に変更された。

1992年には張家界国家森林公園、索渓峪風景区、天子山風景区の三つの風景区で構成される「武陵源自然風景区」が世界遺産となっているまた森林公園に隣接して袁家界、楊家界の風景区などのたくさんの見どころがある。

世界遺産への登録名は武陵源であり、日本でもそのように表記される。この武陵源は張家界市に属していて、観光名所としての張家界・武陵源一帯は現地では「張家界」の名がより一般的だそうだ。

張家界市は上海から空路で2時間、新幹線(というのかどうか、高速鉄道)の駅がある中核都市・湖南省長沙市(人口約750万人)からバスで6時間の場所にある。

今回のツアー二日目(4月10日)に最初に訪れた観光地は張家界天門山だった。ここは天門山国家森林公園で、自然遺産ではないがスケールの大きな景観が呼び物になっている。

3世紀の大地震で山頂付近に大きな穴(天門洞)があき、最近になってロシア空軍の戦闘機がこの穴をくぐって飛行したことで一躍有名になった場所らしい。

 呼び物は市内の繁華街から延々7.5キロにおよぶロープウェイでいきなり天門山の頂上近くまで行けること、石峰群の絶壁に設えられたガラスの回廊(いかにも中国的な観光地)、天門洞からの999段の急勾配の階段も名物になっている。

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(繁華街のど真ん中からロープウェイが出ている)

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(中国のリス、種類は調査中、日本国内でみる台湾リスとも少し違う)

 残念ながら山の上は濃霧。視界は1メートルのみで景色は見えず。

肝腎のガラスの回廊も足元はただ白いだけで面白みなしだった。

下が見えればきっと感動するほどの恐怖感があったのだろうが、残念だった。

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 天門洞は天門山の象徴で町中からも眺めることができる特徴的な景色だ。

この日は霧が穴を流れて、それはそれで印象的な景観だった。

たくさんの日本の山々に登ってきたが、こんな景色は初めてだ。やはり大陸はすこしスケール感が違う。

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(手すりにしがみついて恐る恐る急勾配の階段を下る)

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 この天門山観光は中国では人気のスポットで、手軽に頂上まで行けるからだろうが、ハイシーズンにはロープウェイに乗るのに3、4時間待ちがあたりまえで、この日も天気は良くなかったものの乗り場は超満員だった。

長蛇の列に並び、ようやく1.5時間かかって乗ることができたのは、現地ガイドによればまだ運がよかったほうだそうだ。日本国内であれば中央アルプス木曽駒ケ岳のローブウェイの混雑ぶりに匹敵する。

昼食後、ツアーバスに揺られて4時間の長旅で鳳凰古城に向かった。