フルートを吹く

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昔懐かしいフルート

昨日から専門学校の講義が始まった。

久しぶりに黒板にハクボクで字を書いた。

予想外に学生は眠らずに皆起きて講義を聞いており、

カチカチと黒板を叩くハクボクの音が耳に残って

忘れていた学生時代の記憶が蘇った。

津軽の地で天井が斜めになった屋根裏部屋で暮らした下宿生活のことだ。

教室の窓に視線を向けるとずっと雨が降っていた。

気温が下がり雨が冷たい。台風が近づいて来た。

津軽ではもう秋の盛り、暑かった夏の記憶も消える頃だろう。

夜、夢を見て汗をかき目が覚めた。青春時代の夢だった。

きっと若い学生相手の講義で昔の思い出が呼び起こされたからだろう。

今朝の雨も冷たかった。

地下鉄の改札口に向かってひと気のない地下道を歩いていると

静かなフルートの調べが流れてきた。

懐かしいカーペンターズの yesterday  once moreだった。

心が和む。

仕事を終えて帰宅し、家内も出かけたので、久しぶりにフルートを吹いた。

二年ぶりぐらいだろうか、あるいはもっとかもしれない。

輝くフルートを手にすると銀管は冷たい感触だった。

吹いているうちに手の温もりが伝わってだんだんと温かくなった。

小一時間 も吹いていると音が出るようになった。

バッハのシチリアーノを吹いてみると

指先がしっかり運指を覚えていて自然に演奏することができた。

楽器の音が心に沁みる。

屋根裏部屋で吹いていた頃、青春時代だった。