春の兆しを求めて

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蝋梅(ロウバイ

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茶畑に広がるロウバイの林

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展望台から

神奈川県西部の松田町寄(「やどりき」)に春の兆しを求めて蝋梅(ロウバイ)を観に行った。仕事のない日は家にこもり気味なので、人混みを避けて、気分転換がしたいと思った。

久し振りに車を運転した。しばらく車で遠出をしていなかったので、駐車場に置きっぱなしの愛車はすっかり砂埃まみれになっていた。高速道路に乗るのは半年ぶりか、あるいはそれ以上のご無沙汰だったかもしれない。

東名高速道路大井松田インターチェンジを降りて国道246号線から寄の集落を目指すと、あたりはまだしっかり冬の景色。自宅から1時間半あまりで、目的地の寄ロウバイ園の入り口の看板がある場所に着いた。

寄集落のバスの終点前の「みやま運動公園」に設営された臨時駐車場に車を停めて、茶畑の間の急な斜面を登ってゆくと寄ロウバイ園があった。淡い香りが辺り一面に広がり、ロウバイ園は黄色一色に染まっていた。ちょうど満開の時期のようだ。

会場には人影もまばら。コロナウイルスの蔓延のためだろう。この地はバスの便が少なく、車でないとなかなか来られない。寄と書いてヤドリキと読むこの集落は、鍋割山やシダンゴ山の登山口でもある。

ロウバイの名の由来は、花びらが半透明で蝋で出来ている様に見えることが由来のようだ。江戸時代に中国からもたらされた外来種だという。梅と名前が付いているが、よく見ると形が梅とはが違うし、香りも違う。梅はバラ目バラ科で、ロウバイは遠縁ではあるけれど、クスノキ目ロウバイ科ロウバイ属だそうだ。

花々の間に蓑虫のようにぶら下がって居るものは何だろう。触ると触感も蓑虫そっくりだ。そう言えば、もうずいぶんと蓑虫を見ていない。ちぎってみると去年できた種子の包子だった。皮を破ると種子が4個出てきた。庭があれば持ち帰って植えたいがベランダでのプランター栽培は無理だろう。

薄曇りの空の下で、斜面のベンチに座り、お茶を飲み持参のおこわを食べた。風は冷たかったが、もう少しで春が来そうな気がした。

追記: このロウバイ園は平成17年度の寄中学校の卒業生が卒業記念に植えた250株が始まりで、現在では3000株20,000本以上の蝋梅に増え日本最大級のロウバイ園になったという。